使う人だけに聞こえます…特殊スピーカーで詐欺被害防止へ イオン羽生のATMコーナーに2台設置、全国初

羽生署の松本和久署長(右から2人目)から感謝状を受け取ったイオン羽生の内藤嘉晃ゼネラルマネジャー(左から2人目)=埼玉県羽生市川崎のイオンモール羽生

 ATM操作時の還付金詐欺被害を防ごうと埼玉県警は、羽生市川崎の「イオンモール羽生」のATMコーナーに指向性スピーカーを設置した。全国の商業施設内では初めての設置となる。

 指向性スピーカーは懐中電灯のように、スピーカーを向けた特定の方向だけに音声が聞こえるため、ATM利用者に対し鮮明な被害防止のアナウンスを届けることができ、より効果的に注意を呼びかけることができる。

 イオン羽生では、同スピーカーを2台設置。アナウンスは約25秒で「ATM機で還付金や社会保険料が戻ることは絶対にありません」などと注意喚起が流れた。ATMでアナウンスを聞いた羽生市の野口理香さん(54)は「振り込み詐欺はなかなかなくならない。音声で抑止効果になる」と話していた。

 羽生署の松本和久署長は、「警察は犯罪者を検挙する組織だが、その前に事件を発生させない防犯が大事。官民一体で安全安心な住みよい街づくりを目指す」と意気込み、イオン羽生の内藤嘉晃ゼネラルマネジャーは「一件でも詐欺被害を少なくしたいと思いこのようなスピーカーを取り入れた。力を合わせて今後も安心安全な運営を行っていきたい」と決意を語った。

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