青葉被告、現在の心境は「小説一つでそこまでしなくてはならないのか」

青葉真司被告

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第7回公判が19日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。青葉被告は被告人質問で、検察側に36人が亡くなった結果について現在の考えを問われ、「小説一つでそこまでしなくてはならないのか正直な気持ちとしてあります」などと述べた。

 青葉被告は今月5日にあった初公判の罪状認否で、「現在ではやり過ぎたと思っております」と述べていた。

 検察側は19日の被告人質問で、青葉被告に罪状認否の内容について認識を問うと、青葉被告は「ガソリンで火をつけるとは、行き過ぎだと思っています」とし、「30人以上亡くなられた事件ということを鑑みると、小説一つでそこまでしなくてはならないのか正直な気持ちとしてあります」と淡々とした口調で説明した。

 京アニ事件は、殺人事件として平成以降で最多の犠牲者数となっている。

 これまでの公判で、検察側は「小説のアイデアを盗用されたと、一方的に思い込んだ筋違いの恨みによる復(ふく)讐(しゅう)」と完全責任能力があったと指摘。弁護側は妄想性障害の影響で責任能力がなかったとして、無罪を主張している。

 起訴状によると、青葉被告は2019年7月18日午前10時半ごろ、京都市伏見区の京アニ第1スタジオに正面玄関から侵入し、ガソリンを社員に浴びせてライターで火を付けて建物を全焼させ、屋内にいた社員70人のうち36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた、などとしている。

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