石塚健「今年で一番難しいレース。レベルを上げられたことは確信している」/EWCボルドール24時間 決勝

 9月16~17日、フランスのポール・リカール・サーキットで開催された2023FIM世界耐久選手権(EWC)第4戦ボルドール24時間耐久ロードレースで、今年からEWCに参戦を開始した石塚健(JMA RACING ACTIONBIKE)は予選で総合39番手(SSTクラス21番手)、決勝は総合28位(SSTクラス17位)で完走した。

 開幕戦ル・マン24時間ではリタイア、第2戦スパ24時間では総合18位、SSTクラス9位でフィニッシュした同チーム。鈴鹿8耐には参戦しなかったが、石塚はTERAMOTO@J-TRIP Racingからスポット参戦している。

石塚健(JMA RACING ACTIONBIKE)/2023EWC第4戦ボルドール24時間

 昨年はTONE RT SYNCEDGE 4413 BMWからボルドール24時間に参戦した経験のある石塚は、今回から第1ライダー(ブルーライダー)に抜擢された。「ブルーになったのはル・マンとスパではチーム内で僕が一番速かったし、アベレージタイムも良かったのでチームが判断したと思います。評価として受け取り、嬉しかったですね」と石塚は語った。

「去年も走っているので、2年ぶりに走るライダーと初めて走るライダーを引っ張っていけたのでよかったです」

予選前にクラッシュしたJMA RACING ACTIONBIKEのマシン/2023EWC第4戦ボルドール24時間

 木曜日の予選前のフリー走行では、石塚のチームメイトのふたりが転倒。その1回はオイルに乗って転び、マシンが大きく壊れてしまった。そのため、予選1回目はコースに出たもののトップの108%タイムをクリアできずノータイムになった。2回目は1分59秒048を記録。チームとしては総合39番手(SSTクラス21番手)だった。

「チームが頑張ってくれましたが、マシンの修復が間に合わず、まともに走らない状態でした。2回目はなんとか走れるようになりましたが、マシンのフィーリングも変わってしまい、フリー走行のようなベースは戻ってきませんでした。それをウイーク中ずっと引きずってしまいした」

石塚健(JMA RACING ACTIONBIKE)/2023EWC第4戦ボルドール24時間 決勝

 決勝では、「転倒の影響あるし、フリー走行までもタイムを上げきれていなかったので、自分たちのペースの範囲で転ばないように走ることしかできませんでした」と石塚は言う。

 さらに、レース序盤からトラブルが連発して3時間ほどで7回ほどピットインしてしまう。「SSTの速いチームからもかなり遅れをとっていて残念でした。トラブルは本当にシフターやブレーキや電気系など全部出た感じでした」と悔しいレースウイークを過ごすことになってしまった。

 しかし、石塚は「勝負するのは厳しかったですが、最後までチェッカーを受けたい気持ちだけで走りました。今年で一番難しいレースでした」と説明するが、現状でのベストを尽くして総合28位(SSTクラス17位)でゴールした。

 さらに「速くはないし結果も良くはなかったですが、今後を考えたときにライディングの幅を広げるトレーニングにもなったし、とにかくいっぱい走ってライダーとしてのレベルを上げられたことは確信しています。それをまた来年に活かしていきたいと思います」とEWCフル参戦ライダーになって初年度は苦労もたくさんあったようだが、力強いコメントを残した。

レース後の石塚健(JMA RACING ACTIONBIKE)/2023EWC第4戦ボルドール24時間

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