中上貴晶、LCRホンダ・イデミツと契約更新。MotoGP7年目の2024年も継続参戦「さらに努力する時だと思っている」

 9月19日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦している株式会社ホンダ・レーシング(HRC)は2024年もLCR Honda IDEMITSU(LCRホンダ・イデミツ)より中上貴晶を起用すると発表した。

 中上は、2007年の最終戦バレンシアGPでMoto3クラスの前身である125ccクラスからワイドルドカード参戦し、世界選手権デビューを果たした日本人ライダーだ。2008年から2009年の2年間は125ccクラスにフル参戦していたが、2011年に戦いの舞台を一度日本に戻すと、全日本ロードレース選手権のJ-GP2クラスでチャンピオンを獲得。

 再び2012年から世界選手権に復帰しMoto2クラスに参戦を開始した。そして、2014年からはイデミツ・ホンダ・チーム・アジアよりMoto2クラスを戦い、2016年の第8戦オランダGPで初優勝を飾る。2017年も第12戦イギリスGPで勝利し、Moto2クラスで通算14度の表彰台を獲得した。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第8戦オランダGP 初日

 翌2018年からはMotoGPクラスに昇格し、ホンダのサテライトチームであるLCRホンダ・イデミツから参戦を開始した。参戦3年目の2020年は、第2戦スペインGPと第13戦ヨーロッパGPで自己最高位の4位を獲得。さらに第12戦テルエルGPではポールポジションを獲得し、ランキング10位で終えた。

 優勝と表彰台の獲得こそないものの、唯一の日本人ライダーとして日々邁進する姿を見せている。最高峰クラス参戦6シーズン目を迎えた2023年は、苦戦を強いられており、第12戦サンマリノGP終了時点で、決勝レースにおける自己ベストは第8戦オランダGPでの8位となっている。

 そんな中上は、2024年もLCRホンダ・イデミツからMotoGPに継続参戦することが決まった。チームメイトはすでに発表されており、プリマ・プラマック・レーシングから移籍となるヨハン・ザルコだ。

 ザルコは今までヤマハ、KTM、ドゥカティのマシンを駆っており、経験豊富なライダーだ。そんなザルコと中上は、世界最高峰クラス7年目となる来シーズをともに戦うことになる。

中上貴晶、LCRホンダ・イデミツと契約更新。MotoGP7年目の2024年も継続参戦

■中上貴晶
「2024年も引き続き『LCR Honda IDEMITSU』からMotoGPに参戦できることになりました。ここまで大変厳しい状況が続いており納得がいく結果を残せておらず、応援いただいているファンの皆様に申し訳ない限りでしたが、この報告を皆様にできたことは、自分自身にとってもうれしい限りです。来週は日本GPが開催されますので、ファンの皆様のご声援をエネルギーに変え全力で挑みたいと思います」

「少しでも上位でフィニッシュし、それをきっかけに、来シーズンにつなげられたらと思っています。最後になりましたが、日頃よりサポートしていただいている出光興産株式会社様、ならびにHonda様に改めて御礼を申し上げます」

「LCRは僕の家族の一員だと感じていますし、もう1シーズンを一緒にいられることにとても興奮しています。彼らとHRCとともに良いレースをする機会を与えてくれたことに感謝したいと思います。今は、将来に向けてさらに努力する時だと思っています」

■株式会社ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治
「最高峰のMotoGPクラスで、来シーズンも引き続き中上貴晶選手と共に戦えて、とてもうれしく思います。出光興産株式会社様をはじめとする、多くの皆様からのサポートに感謝申し上げます」

「今シーズンは、これまでにないほどの厳しいシーズンですが、このような状況においても、中上選手ならびにHondaを応援くださっているファンの皆様に、感謝の気持ちを伝えしたいと思っております。1日でも早くファンの皆様の期待に応えられるように、HondaおよびHRCが一丸となり、現状を打破したいと思っています」

■ルーチョ・チェッキネロ(LCR Hondaチームプリンシパル)
「中上選手とまた1年ともに戦えること、頼れることを誇りに思う。彼は速いライダーであり、いい結果を残すことができるし、HRCとともにこのマシンで最も経験を積んでいるライダーのひとりなので、我々はプッシュし続けるべきだと考えている。我々が目指すポジションを獲得できるよう、全力を尽くそう」

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