【速報】ASEAN単独の初演習が開幕 中国念頭、南シナ海周辺

東南アジア諸国連合(ASEAN、10カ国)は19日、加盟国の軍隊で初となる合同演習の開幕式典をシンガポール沖のインドネシア・バタム島で開いた。インドネシアなど少なくとも5カ国が部隊を派遣。中国を念頭に、演習地を南シナ海周辺のナトゥナ諸島南方に移し、23日まで海上警備や物資運搬など非戦闘任務を想定した訓練を行う。名称は「連帯演習ナトゥナ」とし「軍事協力による地域の平和と安定の促進」が目的。海洋進出を強める中国は8月末、南シナ海のほぼ全域に権益が及ぶとする新たな地図を発表し、ASEAN加盟国を含めアジア各国から反発が相次いでいる。インドネシアのユド国軍司令官は19日、式典であいさつし「軍事協力を発展させる絶好の機会だ」と強調した。当初は諸島北方での演習を予定したが、南方に変更。諸島北方の排他的経済水域(EEZ)では、中国が違法操業したとしてインドネシアが繰り返し抗議しており、中国への過度な刺激を避けたとみられる。

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