チェルシーの「スタンフォード・ブリッジ拡張プラン」に近隣住民から不満の声が続出

写真:他のビッグクラブと比較すると収容人数が少ないスタンフォード・ブリッジ

2022年5月にチェルシーを買収して以来、トッド・ベーリー氏は3度の移籍マーケットで合計10億ポンド(約1829億4560万円)以上を選手の補強に費やしているが、現在は本拠地スタンフォード・ブリッジの拡張にも乗り出しており、その計画に対して各方面から不満の声が出ているという。イギリス『デイリーミラー』電子版が報じている。

スタンフォード・ブリッジの収容人数は、プレミアリーグのビッグ6(マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リヴァプール、トッテナム)の中で最少となる4万2000人。ベーリー氏はこれを5万5000人まで拡張したいと考えているという。

この計画の実現に向け、クラブは退役軍人への住宅支援を行っている慈善団体『stoll』が保有し、スタンフォード・ブリッジに隣接する1.2エーカー(約4856平方メートル)の土地を購入すべく協議を続けているといい、6500万ポンド(約118億9450万円)を提示しているという。

ただ、この場所には現在、125戸の住居を持つ退役軍人用のアパートがあり、現状の買収計画ではそのうち20戸のみを維持することになっている模様。『stoll』側は「住民にとって最良の結果を確保するため、売却資金を新しい物件に投資する」との声明を発しているが、いずれにしても現在のアパートから100名以上が追い出されることになるため、居住者の怒りを買っている。

また、アパートには「フラム・メディカルセンター」という医療施設も隣接しているが、その用地もスタジアム拡張計画に含まれているため、「土地が売却されれば6500人以上の患者が担当医を失う可能性がある」という声も。スタジアムの拡張に医療施設を含めるプランはないため、現地では「私たちの医療を守ろう」キャンペーンも展開されているという。

土地の買収はまだ確定していないが、実際にスタジアムの拡張工事が始まった場合、チェルシーはその間に利用する代替本拠地を確保する必要がある。候補地の1つにラグビー専用競技場であるトゥイッケナム・スタジアムが挙がったものの、所有者のイングランドラグビー協会は貸し出しに難色を示している模様。フラムの本拠地クレイブン・コテージと“聖地”ウェンブリー・スタジアムが他の候補になっているという。

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