農地に無許可で6,500㎥の盛り土造成 業者などに措置命令 県条例単独で発出は初めて=静岡県

静岡県は、県に無許可で盛り土を造成したとして、菊川市の施工業者などに対し、措置命令を出しました。県の条例単独で発出されるのは今回が初めてです。

県が9月19日付で措置命令を出したのは、盛り土の造成を依頼した菊川市に住む男性と掛川市内にある工事請負業者です。

県によりますと、2022年9月27日、菊川市から県に「盛り土が造成されているため見に来てほしい」という通報があり、30日に県職員が現場を視察したところ、菊川市西方の農地に、1,000立方メートル以下の盛り土を確認したということです。

当時は、県の盛土規制条例の適用外で、動向を見守ることにしましたが、その後も盛り土が造成され続けたため、具体的な工事内容などを記す計画書を提出するようこれまで4回にわたり、指導しました。

しかし、承認できる内容のものが提出されず、その後も土の搬入を続けたため、県は2023年9月19日、県の盛土条例に基づき、原状回復を行うことや計画書の提出を求める措置命令を出しました。

盛り土は合わせて6,500立方メートルで、県は、近くに民家はなく人命に影響はないとしていますが、通行人への危険性を考慮したといいます。

計画書の提出期限は10月3日で、それまでに提出がなければ、刑事告発や行政代執行を検討しています。県によりますと、業者などは是正する意思を示しているということです。

県の盛土条例に基づく措置命令は、熱海市伊豆山や函南町平井に続く3例目ですが、県の条例単独で発出されるのは、今回が初めてです。

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