三井住友銀行名誉顧問の末松謙一さん死去 太陽神戸三井銀行の初代頭取

三井住友銀行の末松謙一名誉顧問(三井住友銀行提供)

 三井住友銀行の前身となった太陽神戸三井銀行(後のさくら銀行)の初代頭取を務めた末松謙一(すえまつ・けんいち)さんが14日午後11時33分、老衰のため死去した。97歳。大阪市出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は長男謙治(けんじ)氏。

 三井住友銀行が19日発表した。お別れの会は開かない。連絡先は同銀行秘書室TEL03.4333.5080。

 東大経済学部を卒業後の1948年に帝国銀行(後の三井銀行)に入行。営業や企画、国際など幅広い部門を経験し、88年に三井銀行社長に就いた。おおらかで実直な性格で、太陽神戸銀行との合併交渉を主導。90年4月に太陽神戸三井銀を誕生させ、初代頭取に就いた。

 2年後、さくら銀行への名称変更にも尽力し、引き続き頭取を務めた。当時、平仮名の銀行名は珍しく、金融自由化が進む中、将来の金融像を描き、積極的に発信。94年に会長となり、97年には相談役に退いた。同行は2001年、住友銀行と合併して三井住友銀行となり、03年からは同行名誉顧問を務めた。

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