今季の県産サクランボ、収穫量7%増 紅王23トン、目標上回る

今季の県産サクランボの収穫量などを総括した協議会の会合=山形市・県建設会館

 今季の県産サクランボの収穫量が前年比7%増の1万3300トン程度の見込みであることが19日、県の集計で分かった。市場流通量が増えたため、販売数量も前年より増加。今年本格デビューした大玉新品種「やまがた紅王」の収穫量は目標の20トンを上回り、1キロ当たりの平均単価は7800円だった。サクランボは収穫のピークが猛暑の前で、暑さの影響は大きくなかった。

 山形市の県建設会館で同日開かれた「山形さくらんぼブランド力強化推進協議会」の会合で、県の担当者が報告した。県やJAで組織する「県さくらんぼ作柄調査委員会」は5月、今季の予想収穫量を平年並みの1万3200トン程度と発表していた。

 県によると、収穫期後半の6月下旬に極端な高温にならず、品質が維持され、収穫期間は例年より長かった。全国19の主要卸売市場での4~7月の販売数量は前年比7%増の1724トン、1キロ当たりの販売単価は3%減の2342円だった。販売額は4%増の40億3900万円。

 登録生産者へのアンケート調査(206人が回答)に基づく、やまがた紅王の推定収穫量は23トン。出荷量は17トン程度とみられる。取扱業者への聞き取りによると、1キロ当たりの平均単価は他品種平均2342円の3.3倍だった。

 会合にはオンラインを含め、県やJA、市場の関係者ら約50人が参加。今季は着色が不十分な果実が一部出回ったことから、来季に向けては着色50%以上とする出荷規格の順守を徹底することを確認した。中長期的には佐藤錦から紅秀峰、やまがた紅王などへの改植を推進し、収穫期や労働力の平準化を図る。

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