就活用スーツを安価に 米沢のWith優、クリーニング店と連携

就活用スーツの寄付プロジェクトを始めた白石祥和代表(右)と勝見弘志社長=米沢市・かつみクリーニング春日店

 引きこもりなどで一定期間仕事に就いていない人たちの就労支援に取り組む、米沢市のNPO法人With優(白石祥和代表)が、同市のクリーニング店と連携し、着なくなったスーツを募り、就職活動に臨む同法人利用者など若者に安価で譲る取り組みを始めた。就活をする上でスーツ購入という金銭面のハードルを取り除き、就労を後押しする。

 白石代表によると、同法人の利用者から「働き口を探したいが、就活用のスーツが高くて買えない」との声が複数寄せられていた。昨年、10年以上就労の機会がなく履歴書を買うお金もない状況だった男性を支援しようと、同法人がSNS(交流サイト)上で着なくなったスーツの提供を呼びかけると、15着が寄せられた。男性は寄付されたスーツで就活に臨み、職を得て順調に働いているという。

 こうした経験から白石代表が「着る機会がないまま眠っているスーツを生かせないか」と発案。同市のクリーニング業のかつみクリーニング(勝見弘志社長)が連携を決めた。

 1着2500円で販売して、就職後に給与を得てからの後払いも可能にする。同法人利用者を中心に、高校生や大学生にも広く声をかけ、個別販売のほか、販売会開催も検討している。

 寄付はかつみクリーニングの米沢、南陽の3店舗で受け付ける。スーツは就活に使える無地で黒や濃紺、グレー系の上下とし、ジャケットやスラックス単体、ネクタイなども募る。寄付者は事前にクリーニングしておく。集まったスーツは同社が採寸や状態確認をして同法人に引き渡す。白石代表は「スーツは高価なもの。安価に入手できる仕組みがあることは、困窮している若者らにとって役立つのではないか」と話す。

 売り上げの一部は、ひきこもりの若者らの居場所として活用する同法人施設の運営に充てる。問い合わせはWith優0238(33)9137。

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