レオン自動機創業者、林虎彦さん逝去 食品機械業界の発展に貢献

レオン自動機名誉会長の林虎彦さん

 自動包あん機などの食品加工機械メーカー、レオン自動機(栃木県宇都宮市野沢町)の創業者で名誉会長の林虎彦(はやしとらひこ)さんが13日午後1時41分、病気のため宇都宮市内の病院で死去した。97歳だった。自宅は宇都宮市。葬儀は19日に近親者のみで執り行われた。お別れの会を後日開くが、詳細は未定。

 林さんは1926年、父親の仕事の関係で台湾・高雄に生まれた。終戦後に帰国し、50年に金沢市で和菓子製造の「虎彦」を創業。和菓子職人だった林さんは、熟練を要し重労働だった包あん作業を機械化しようと、自動包あん機の開発に乗り出した。開発の舞台を日光市の鬼怒川温泉に移し、10年以上の歳月をかけ61年、世界初の自動包あん機の開発に成功した。

 63年、レオン自動機を設立。製菓・製パンを中心にレオロジー(流動学)を応用したさまざまな食品加工機械を製造した。創業から3年で輸出を開始。これまでに127の国と地域で、同社の食品製造機械が活躍している。

 同社では2005年まで社長を務める。日本食品機械工業会会長などを歴任し、食品機械業界の発展に尽くした。功績が認められ1974年に紫綬褒章、81年に藍綬褒章、2005年に旭日中綬章を受章。13年には米国製パン協会より名誉表彰を受け、アジア地域で初の殿堂入りも果たした。

 

© 株式会社下野新聞社