エリーナ・スビトリーナがメンタルの充実を告白「どこでもリラックスしていられるわ!」

とにかく集中力を維持すること

すべてのことに備えることが非常に重要

WTA開幕戦の「アブダビWTA女子テニス・オープン」に第2シードとして出場予定のエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ)のプレシーズン・インタビューが、WTA公式サイトに掲載された。2020年、コロナ禍の中で感じているプレッシャーとのバランスを保つために、スビトリーナはメンタルコーチを雇ったのだという。

「このような難しい時間の中、強い気持ちを持ち続けること、常に新鮮さを感じることがとても大事。今、開始されるすべてのトーナメントは、非常に重要な存在だから、誰しもがプレッシャーを感じているはず。観客がいない中でプレーをするという特殊な雰囲気もあるしね。昨シーズン終盤、いくつかの大会に出たあと、私は、メンタルコーチを頼むことにしたの。正しい決断だったなと思う。色々なことが起こるし、今年はオリンピックもある。だからこそ、とにかく集中力を維持すること、そして、遭遇するすべてのことに備えることが非常に重要だと感じている」

メンタルコーチを頼むに至ったのは、過去の敗戦にあるのだという。彼女のグランドスラムのベストリザルトは、2019年のウィンブルドン(シモーナ・ハレプに1-6,3-6で敗戦)、USオープン(セリーナ・ウイリアムズに3-6,1-6で敗戦)で記録したベスト4。また昨年の全仏オープンではベスト8に入っている(ナディア・ポロドスカに2-6,4-6)。当時を振り返って「私は、自分に対して悪い要素、ネガティブな要素をわざわざ見つけて、本当に苦しんでいたの。本当は、ポジティブな要素を見つけることが大事だったのに。いつも嫌な風が吹いているな、とか他の嫌なことを見て、集中力を途切らせていた」。

最良のメンタルコーチと出会い

「私はどこでもリラックスしていられる」

そう語るスビトリーナ

だからこそメンタルコーチを、となったわけだが、選ぶにも時間がかかったのだという。

「オープンマインドで勇気を持ち、適切な人間を見つけなければいけないと思っていた。優れたメンタルコーチであることが条件とは限らない。大事なのはいい関係を作れるかということ。そう思ってエージェントや友人を頼ったけど、結局そこでは見つからなかった。だけど今、一緒に仕事をしている女性とは、良い関係ができている。彼女に対して、私は心を開きやすいし、たくさんのことを共有している。正しい方法を見つけて、気分もよくなったし、精神的にも強くなろうとしているわ」

時間をかけて、素晴らしいメンタルコーチを見つけたというわけだ。

「昨年、私たちが見たことは本当に重要なことだったと感じている。人生はテニスコートだけで終わるものではない。誰しもが様々な要素、プライベートを持っている。家族もいるし、私生活があって、そこでのプレッシャーもある。試合に向けて、いいメンタルを作るためには、自分の周りのすべてが大事。より良い人間がそばにいてくれて、精神的に落ち着きすぎてもダメだし、興奮してもダメ。起こっていることは、すべて取るに足らないこと。だからこそ、すべてを共有することが大事なの。彼女(メンタルコーチ)は、私の人生の小さくて暗い秘密をすべて知っている。彼女と関係し始めてから、友達でも共有できないようなたくさんのことを解放したわ。彼女がいてくれることで、私はどこでもリラックスしていられるわ!」

アブダビでの14日間の検疫期間、その1週目に彼女は、昨年の全仏女王イガ・シフィオンテク(ポーランド)といい練習ができたという。「1人の選手を選ばなければならないとなった時、すぐにイガとやりたいと思ったの。数回練習して、本当に楽しむことができたわ。お互いにいいヒッティングができたと思うし、彼女にとっても良かったと思う。望んでいるいい準備ができたわ」。

素晴らしいメンタルコーチと出会い、心機一転のスタートを切るスビトリーナが、どんなシーズンを送るのか。まずは開幕戦を注目したい。

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