高所得なのにお金が貯まらない…その原因は?

決して収入が少ないわけではなく、逆に高所得といわれるほどの収入があるにもかかわらず、貯蓄ができないという悩みをよく聞きます。所得があるにもかかわらず、手元にお金が残らないのはなぜでしょうか。

今回は、所得があるにもかかわらずお金が貯まらない原因とその対処法について解説します。


高所得とは?

国税庁が発表している「民間給与実態統計調査(令和3年分)」によると、一番多い年収区分は300万円超400万円以下で、全体の17.5%となっています。次いで多いのが200万円超300万円以下で15.8%です。

また平均給与は443万円で、全体の約90%が800万円以下に属しています。このことからも、高所得とは800万円超の収入がある人といえます。

所得があるのにお金が貯まらない原因

800万円を超える収入があるにもかかわらず、お金が貯まらない原因としては以下のものが挙げられます。

●家計の収支管理ができていない
貯蓄をするためには、まずどのくらいの収入があり、毎月どのくらいの支出があるのかを把握しておく必要があります。そのうえで、余裕がある分については貯蓄に回し、残ったお金で生活する習慣をつけなければなりません。

家計の収支管理ができていないと、いくら貯蓄できるかも把握できないため、いつまで経ってもお金が貯まらない状態から抜け出すことができません。

●収入が増えた分お金を使ってしまう
収入が増えたら、増えた分を自分へのご褒美に使ってしまう人もいます。もちろん、頑張ったから高収入に結びついたと考えるなら、自分や家族へのご褒美に使うことも有意義ですが、頻繁に行っていると支出が収入を上回る結果にもなりかねません。

●お金を使ったという感覚が薄れている
高収入の方に限られたことではありませんが、キャッシュレス決済の普及に伴い、現金で支払う機会が減ったこともお金が貯まらない原因の1つです。

また、高収入であればクレジットカードのランクも上がりやすくなり、限度額も引き上げることができます。そうなると、より多くのお金をキャッシュレス決済で利用することになり、かつ、これまで以上にお金を使っている感覚も薄れてしまいます。

●今後収入が減ることを予想していない
所得が増えるほど、その状況がずっと続くと思う人も多く見られます。もちろん、今後も昇級が見込める人や、経営状態が安定している経営者ならそう感じるでしょう。しかし、人生はいつ何が起こるか分かりません。突然病気にかかって仕事ができなくなってしまうことも考えられます。

高所得になるほど、所得が減少することに恐怖を感じるようになることからも、現状が当たり前だと思わないことが大切です。

高所得の人がお金を貯める方法

高所得にもかかわらず、お金が貯まらないと悩んでいるなら、以下の方法を実行してみましょう。

●家計簿をつける
家計簿をつけて毎月の収支の状況を把握し、無駄に使ったお金がないかを確認する習慣を身に付けることが大切です。同時に削減できる項目がないかも考えてみましょう。

また、支出の内容を確認し、それが本当に自分に必要だったのかを冷静になって考えることも忘れないようにしましょう。お金に余裕があるからといって「いつか使うかもしれないアイテム」や「まだ使えるかもしれないけれど、新しい機能に興味のある家電」にお金を費やすのは非効率です。
「いつか使うかもしれない」ということは、逆にいえば「いつまで経っても使わない」ともいえるからです。

新品のまま、使っていないものが家の中にあるなら、そのような習慣はできるだけ避けるように心がけましょう。

●月に使う予算を決める
収入が多くなるにつれ増える項目は外食や交際費などです。高級品などの嗜好品を購入する人もいるでしょう。もちろんそれは悪いことではありませんが、予算を決めてその範囲内に収めることが大切です。

●増えた収入のうち、半分は貯蓄に回す
せっかく収入が増えたのだから、その分自由に使いたいと思うのはごく自然なことです。しかし、増えた分全額を自由に使うのではなく、半分は貯蓄に回すことを考えてみましょう。それだけでも少しずつ貯蓄額が増えていくはずです。

貯蓄に回す習慣が身に付いたら、その後は貯蓄額の目標を立てて貯金を増やすことに取り組んでみてください。

年金生活になった時を考えた早めの老後資金の形成が大切

年金生活になった時に貯蓄がない場合、毎月の生活費が不足することが予想されます。年金受け取り開始から亡くなるまでの不足分やその間に必要となる介護費用も考えておかなければなりません。

そのためにも、まず毎月の生活費の最低3ヶ月分は貯金として残しておき、さらに余剰資金については運用を取り入れて増やすことも大切です。

老後生活に不安を感じることのないように、目標金額を設定し、早めに資産形成に取り組むことを心がけましょう。

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