プロ野球パ・リーグ オリックスが3連覇 兵庫の関係者、ファンら感無量「こんなに強いチームになるとは」「日本シリーズ関西対決を」

優勝し、胴上げされる中嶋監督(撮影・北村雅宏)

 プロ野球パ・リーグで20日、3連覇を果たしたオリックス・バファローズ。かつて本拠を構えてきた兵庫県内の関係者やファンも喜びに浸った。

 神戸市須磨区の北須磨高校OGで、3年連続で球団リポーターを務めるシンガー・ソングライターの田畑実和さんは、この日も京セラドーム大阪(大阪市西区)で声援を送り「こんな素晴らしい景色を見せてくれたチームに心から感謝します」と感無量の様子だった。

 本拠地の京セラドームやほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区)では応援グッズやグルメ情報をアナウンスし、応援歌「SKY」も歌う。担当後にチームが低迷から脱したことから、ファンの間で話題の「勝利の女神」は、今季も力を発揮。「今季声出し応援が解禁されたことで、熱気をより一層感じ、チームはますます盛り上がった。戦うナイン、声援を送るファンを見ていると、本当にすてきなチームだと実感した。また日本一を目指してほしい」と語った。

 オリックスが神戸を本拠地にしていた1995年、阪神・淡路大震災が発生。チームは「がんばろうKOBE」を合言葉に団結し、同年と翌96年に連覇。当時現役だったイチローさんや中嶋聡監督ら多くの選手が訪れた神戸市須磨区の料理店「ふぐ一品料理 あみ」の店主木下大輔さん(45)は「今季も見ていてワクワクする試合がたくさんあった。当時の主力選手が指導者になって、その時を上回る3連覇を成し遂げてくれた。すごいとしか言いようがない。本当にうれしく、感慨深いものがある」と喜びをかみしめた。

 神戸市垂水区出身で、震災後からファンになった公務員(35)=同県明石市=は「震災後の神戸を元気づけてくれたので、本拠地が神戸から大阪へ移っても、変わらず応援している」と言う。イチローさんが所属した当時を上回る3連覇に「こんなに強いチームになるとは。長い低迷期を経ただけに信じられない気持ち」と実感が湧かない様子。「過去2年は最後まで競り合ってどきどきしたけれど、今年は優勝できるやろな、と安心して見られた。今季急成長した頓宮裕真選手をはじめ、個々の力を伸ばす中嶋聡監督の指導力が大きい」と話した。(津谷治英、千葉翔大、井川朋宏)

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 オリックスの3連覇を受け、兵庫県の斎藤元彦知事も祝福のコメントを出した。「関西2球団が熱戦を勝ち抜き、59年ぶりの日本シリーズ『関西対決』が実現することを楽しみにしています」と期待を寄せた。

 またオリックス・ブルーウェーブとして神戸を本拠地にしていた95年のリーグ優勝にも触れ、阪神・淡路大震災で傷ついた被災地に「感動と勇気をもたらしてくれた」と振り返り、「地域を愛し、ファンとともに歩むマインドは、現在のチームにもしっかり受け継がれているのではないでしょうか」とたたえた。(金 慶順)

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 オリックスのリーグ3連覇を受け、久元喜造神戸市長は「神戸ゆかりのオリックス・バファローズが今シーズンもチーム一丸となって、リーグ優勝を勝ち取られたことは、神戸市民にとって誇りです」とする祝福のコメントを発表した。

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