マルセイユ、マルセリーノ監督退任を正式発表…ウルトラスの圧力受けるクラブは「スポーツ以外の理由で去る」と声明を発表

[写真:Getty Images]

マルセイユは20日、マルセリーノ・ガルシア・トラル監督(58)の退任を発表した。

今シーズンからマルセイユの新指揮官に就任したマルセリーノ監督だったが、チャンピオンズリーグ(CL)予選でパナシナイコスに敗れ、痛恨の本戦行きを逃した。

さらに、リーグ・アンでも格下相手の取りこぼしが目立ち、ここまで2勝3分けと微妙なスタートに。また、サポーターからは結果と共にプレースタイルへの不満の声が多く上がっていた。

これを受け、クラブの首脳陣は18日にサポーターグループと非常に緊迫した話し合いを行い、その場ではパブロ・ロンゴリア会長とマルセリーノ監督に批判が集まっていたとのことだ。

この会談後にはウルトラスから脅迫に近い形で辞任を要求されたロンゴリア会長を含むクラブ幹部4名が、一時的にその職務を離れる決断を下している。

そういった事情もあり、スペイン人指揮官は19日にクラブハウスで選手やスタッフに対して辞任の意向をすでに伝えていた。

マルセイユは今回の指揮官の退任に際して、以下の声明を発表している。

「経営陣に関する昨日の夕方に発表されたプレスリリースに続き、オリンピック・マルセイユは、9月18日の出来事により、マルセリーノと彼のテクニカルスタッフが雇用された職務を良好な条件で遂行することを不可能にしていると考えています」

「この残念な状況の結果、マルセリーノとそのスタッフはオリンピック・マルセイユでの任務を継続することはありません。この状況を踏まえると、6月23日にマルセイユに到着したばかりでクラブに全力で取り組んできたコーチとテクニカルスタッフがスポーツ以外の理由で去らなければならないことにクラブ全体が非常に残念に思っています」

なお、21日に控えるヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ初戦のアヤックス戦に関して、クラブOBであり今季からファーストチームのアシスタントマネージャーを務めるジャック・アバルドナド氏が暫定指揮官を務めることになる。

昨シーズンのリーグ・アンをチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の3位で終えたマルセイユだが、シーズン中から首脳陣との確執が伝えられたイゴール・トゥドール監督の退任が決定。

その後、複数の新指揮官候補がリストアップされた中でロンゴリア会長は、過去にテクニカルディレクター、監督として一緒に仕事をした経験があるマルセリーノ氏との交渉を進め、2年契約での招へいに至った。

しかし、これまでセビージャやビジャレアル、バレンシア、アスレティック・ビルバオと母国スペインの名門の監督を歴任した経験豊富な指揮官の国外初挑戦はわずか7試合で終了することになった。

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