県内インフル流行入り 過去10年で最も早く

 富山県は20日、県内でインフルエンザが流行入りしたと発表した。県内48定点医療機関で今年第37週(9月11~17日)に報告された患者数が1定点当たり1.06人となり、流行開始の目安である1人を上回った。県によると、新型インフルエンザが流行した2009年の第35週(8月24~30日)に続いて早く、過去10年では最も早い流行入りとなった。

 地域別では、中部厚生センター管内が1定点当たり1.60人と最も多く、高岡厚生センター管内が1.54人、新川厚生センター管内が1.29人、富山市保健所管内が0.63人、砺波厚生センター管内が0.57人だった。

 県の担当者は「新型コロナウイルスと同じように手洗いや換気、マスク着用を行い、体調が悪いときは外出を控えてほしい」と予防の徹底を呼び掛けている。

 県衛生研究所によると、昨季の流行入りは第50週(12月12~18日)で、例年の流行入りは11月中旬から12月初旬となっている。

 担当者は2020、21年に流行入りしなかったことを挙げ、コロナ感染対策の徹底により、2季連続でインフルエンザの感染が抑えられ、免疫力が低下している可能性を指摘。さらに5月のコロナ5類移行により、マスクを着けないなどコロナ前の生活に戻ったことが、早い流行入りにつながったとみている。

 県感染症対策課の森安祐成課長は、全国的に昨季から流行の目安である1人を上回る状態が継続しているとし、さらなる感染拡大に警鐘を鳴らす。「インフルエンザは冬の感染症というイメージを持たず、常に警戒心を持ってほしい」と訴えた。

 県は20日、富山市五福小でインフルエンザとみられる集団風邪が発生し、21日まで4年生で学年閉鎖の措置が取られると発表した。児童55人のうち、22人が症状を訴え欠席した。今季のインフルエンザが原因とみられる学年、学級閉鎖は5例目となる。

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