中国、対ロシア制裁を批判 ウクライナ和平協議引き続き訴え

20日、ウクライナ情勢に関する国連安全保障理事会の会合で発言する中国の馬朝旭外務次官=米ニューヨーク(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】中国の馬朝旭外務次官は20日、ニューヨークでウクライナ情勢に関する国連安全保障理事会の会合に出席し、米欧による対ロシア制裁を念頭に、世界のサプライチェーン(供給網)安定のため「一方的な制裁をやめるべきだ」と訴えた。ウクライナ侵攻を巡る和平協議の必要性を訴える従来の主張を繰り返した。

 中国は和平仲介に積極的な姿勢をアピールしている。一方でロシアのプーチン大統領が10月に訪中するなど緊密な中ロ関係を維持している。

 馬氏は「ウクライナ危機は世界経済に大きな衝撃を与え、食料・エネルギー安全保障や金融に深刻な影響を及ぼしている」と述べた。「真っ先に被害に遭っているのは発展途上国だ」とし、ウクライナ情勢を巡って米欧と距離を置く途上国に寄り添う姿勢を強調した。

 黒海を通じたウクライナ産穀物輸出の合意再開に向けた関係国の協議を「支持する」と語った。

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