この8月に新生『TCR World Tour』の連戦を迎え入れたTCRサウスアメリカ・シリーズと、欧州での国内選手権の一角を担うTCRスペインの両選手権主催者は、将来的なシリーズ間での協力プログラムに関する合意を発表。その第一歩として、各チャンピオンがそれぞれのシリーズでイベントに参戦可能なプライズ（賞賜）が用意される。
すでにTCRヨーロッパとも同様の連携を結んでいるTCRサウスアメリカだが、今回のジョイントはすでにパイロット版的なモデルケースとして具現化しており、シリーズレギュラーとして参戦するアルゼンチン出身ドライバーのファン-アンヘル・ロッソ（パラディーニ・レーシング／トヨタ・カローラGRS TCR）が、今季6月にナバラで開催されたTCRスペインのレースにコムトゥユー・レーシングのアウディRS3 LMS 2で出場していた。
第5戦はウルグアイのエル・ピナール、第6戦をアルゼンチンのサンルイスに位置するラ・ペドレラで開催した8月の世界戦併催イベント現地にて、TCRスペイン会長ガブリエル・アロンソの訪問を受けて締結されたこの協定に基づき、2023年のTCRサウスアメリカ王者には、来季2024年のTCRスペインに出場する機会が与えられる。
また同様に、2023年のTCRスペインでタイトルを獲得したドライバーには、2024年のTCRサウスアメリカ・シーズンの一部のイベントに出場する優先機会が付与されるという。
「このTCRのコンセプトと規定の“プレイグラウンド”は、さまざまなチャンピオンシップの境界を超え、地域間の協力というユニークな機会を我々に与えてくれる」と語ったアロンソ会長。
「南米とスペインはいくつかの共通の利益と素晴らしい伝統により、兼ねてより友好関係で団結している。その意味で我々は双子の地域であり、多くの融合点と素晴らしいモータースポーツの伝統を培ってきたんだ。今後も我々は、ドライバー、チーム、メーカー、プロモーターに対し、競争するための最良の機会を提供するべく協力していくつもりだ」
TCRサウスアメリカの代表を務めるフェデリコ・プンテリも、次のように付け加える。
「世界中のTCRの成長に貢献する取り組みの中で、我々はTCRサウスアメリカとTCRスペインの間の協力協定を完成させるため取り組んできた。これは、この新しいモータースポーツのコンセプトが我々の地域を世界各地に近づけることを示す新たな兆候であり、もうひとつの証拠でもあるんだ」とプンテリ代表。
「TCRスペインとの今回のパートナーシップは、我々が将来に向けて考えている他の多くのパートナーシップのうちの最初のものになるだろうね」
