ウクライナに武器供与せず ポーランド、国連演説に反発

国連総会一般討論で演説するウクライナのゼレンスキー大統領=19日、ニューヨーク(国連提供・共同)

 【ベルリン共同】ポーランドのモラウィエツキ首相は20日、「ウクライナへの武器供与をやめる」と述べた。ウクライナのゼレンスキー大統領が19日の国連総会一般討論演説で、ポーランドなどによるウクライナ産穀物の輸入規制を批判したことに反発した。ウクライナ侵攻後に対ロシア強硬姿勢を鮮明にし、強力な支援国となってきた隣国との対立激化で、欧米の対ロ結束に乱れが生じる恐れもある。

 ゼレンスキー氏は20日、国連安全保障理事会の会合に初めて直接出席。19日の演説では打倒ロシアで団結を訴える一方、ポーランドなどについては「連帯を示しているように見えるが、実際はロシアを手助けしている」と主張した。

 これに対しポーランド外務省は20日、ウクライナの駐ポーランド大使を呼んで抗議したと明らかにし「当初から支援してきたポーランドに対して不当だ」と非難した。

 モラウィエツキ氏は20日、地元テレビで「ウクライナ産穀物の輸入により、自国市場が混乱することは認められない」と強調。「武器供与をやめ自国軍備を増強する」と語った。

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