さそり座のアンタレスが月に隠れる…9月21日に「アンタレス食」 観察できる時間帯や方角は

写真を拡大 アンタレス食の見え方(国立天文台ホームページより)

さそり座の一等星アンタレスが月に隠れる「アンタレス食」が9月21日夕方から夜の初め頃にかけて起こり、全国各地で見られそうだ。観測できる時間帯や方角などを国立天文台などの情報を基にまとめた。

アンタレス食とは

地球の周りを公転する月が、背景にある星を隠す現象を、月による「星食」または「掩蔽(えんぺい)」という。今回はアンタレスという明るい1等星の食で、肉眼でも観察しやすいので観察にオススメだ。

アンタレス食の見える地域や時間は

星食は日食のように見られる地域が限られるが、今回のアンタレス食は、天気さえ良ければ日本全国で観察できる。起こる時間は地域によって異なるので注意したい。

アンタレスが月の背後に隠れる「潜入」は、21日午後5時過ぎに起こる。月の光っていない方の縁から月に隠されるが、日の入り前の明るい空で起こるため、潜入の様子を肉眼で観察するのは「難しい」という。双眼鏡や望遠鏡があれば見えるかもしれない。アンタレスが再び月の背後から姿を現す「出現」は、日の入り後の空で午後6時30分過ぎに観察することができそうだ。アンタレスは、月の光っている方の縁から姿を現す。

福井県では同日午後5時18分ごろに潜入、午後6時44分ごろに出現が観察できる予想だ。

観察のポイント

月やアンタレスの高度が低いため、高い建物や山などがない南から南西の空の地平線近くまで見通すことができる場所を選ぼう。月は上弦よりも欠けた月で、少し明るい。

日の入り後は空が少しずつ暗くなっているため、出現のほうが観察しやすそうだ。肉眼でも見えるかもしれないが、双眼鏡や望遠鏡を用いると様子がより分かりやすい。予報時刻の少し前から観察を始め、月の光っている方の縁に狙いを定めて待とう。

各都市の潜入・出現の予報時刻

※国立天文台ホームページより

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