10月は食中毒の“発生最多”「もう冷房はいらない」と思わないで 気温を気にしなくなる時期に注意

青森県の老舗弁当メーカー・吉田屋による食中毒の疑いは、全国に影響が拡大しています。この食中毒とみられる症状の原因が、製造段階にあるのか流通段階にあるのかというのはまだわかっていません。弁当の製造会社は、食中毒が起きてしまうと営業停止に追い込まれてしまうため、品質の管理には相当気をつけているはず。弁当店にとって最大の敵である食中毒を防ぐため、店側はいろんな対策をしています。

“コンピューター管理の手洗いシステム”で食中毒を防ぐ店も

多い時は1日1万8000食を手がける弁当店、名古屋の「八尾彦本店」の担当者に聞きました。こちらでは食中毒対策として、コンピューター管理の手洗いシステムで菌を持ち込まないよう徹底しているそうです。まずは入館する時に「水洗いをして、その後石鹸で洗い、乾かす」という工程を2分。これを1分で止めようとすると、コンピューターが働いて入館できないシステムになっているそうです。入館する時も、製造現場に入る時も同じ手洗いを行っているので、これまで食中毒は発生していないということです。

弁当作りで大切なのは「つけない」「増やさない」「やっつける」

これから先、行楽シーズンや運動会も迎えます。家庭で弁当を作る機会も増えるかと思いますが、その際の注意点があります。食中毒を防ぐ上で大切なのは、有害な細菌やウイルスなどの微生物を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3つ。

まず、おにぎりを作る時は手で直接握らずにラップを使うようにしてください。
そして、弁当の中に水分の多い食材は極力少なくしましょう。作り置きのおかずは、きちんと冷蔵した上で再度加熱をしてから弁当に入れるようにしてください。また、ハムやかまぼこなどそのまま食べられるものでも、弁当に入れる時はできるだけ加熱をして、冷ましてから入れるようにしてください。

“気温を気にしなくなる時期”こそ食中毒が多い

食中毒が多い月は、6月と10月。そこには共通点があるんです。6月というのは「まだ冷房はいらないかな」と思ってつけていない人もいますが、すでに暑い時期。一方で、10月は「もう冷房はいらないかな」と思ってつけない人がいますが、まだ暑い。“気温を気にしなくなる”ので、食中毒が増えているんです。

そして、冬場は食中毒は発生しないのかと思いきや暖房をつけるので、食中毒は存在します。また、6月と10月に次いで多いのは3月。これは行楽シーズンで、お弁当を作る機会が多いから増えているんですが、理由は本格的な行楽シーズンの4月5月よりも「3月はまだ大丈夫だよね」と、気温を気にしなくなるからです。10月以降もまだまだ食中毒には注意が必要です。

© CBCテレビ