【ベトナム】不動産投資コーテラス、アンギアに出資へ[建設]

ベトナムで不動産投資を手がけるコーテラスは、ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場する中堅不動産開発会社アンギア・インベストメント開発に最大1,000万米ドル(約14億8,000万円)を投じ、株式の一部を取得する方向でデューデリジェンス(資産査定)に入る。ベトナムでは昨年以降、不動産市場の停滞が続いているが、同社が得意とする住宅開発には底堅い需要がある。住宅市場は金利低下などを背景に年末には回復局面に入るとみて、積極投資に転じる。

コーテラスは今年12月末までを期限にアンギアの資産査定を進めることで14日合意し、覚書を交わした。発行済み株式の5~6%を取得する方向だ。同社が南部ビンズオン省で2024年の販売開始を目指して進める住宅開発プロジェクト「ザ・ジオ(The Gio)」にも資金を投じる予定。

アンギアは、ザ・ジオのほか、南部ホーチミン市ビンチャイン郡でも大規模住宅開発を進めている。23~25年の3年間で計9,000戸の住宅販売を予定している。コーテラスからの投資資金を活用し、今後も中間所得層向け優良住宅開発案件の取得を進める。

コーテラスの山口真一最高経営責任者(CEO)はNNAに対し、「アンギアは高利回りの社債発行などによる無理な資金調達を行っておらず、顧客の実需に基づく堅実な住宅開発を続けてきた」と語り、大型リゾート開発などを手がける大手開発会社などに比べて業績の回復は早いと思うと投資に自信を示した。

コーテラスは日本の富裕層や事業会社から集めた資金約50億円をベトナムの不動産を中心に投資し、運用益を還元している。

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