地震木造の住宅が密集した「木密地域」を火の手から守る 都や地域の対策とは

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、地震で発生した火災から地域を守る取り組みを紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #24 木密地域

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、古くからの木造住宅が密集している墨田区の災害対策を取材しました。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する東京。
その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ。備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。

頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。
今回のテーマは、「地震への備え」です。
関東大震災や東京大空襲による焼失を免れた昔ながらの住宅が、いまだ数多く残る東京。
その地域は木造の住宅が密集し、大きな地震が発生したとき、家屋が倒壊して、一旦、火災が発生すると火の手が広がりやすいことが想定されます。
今回、訪れたのは、そんな木密地域の一つ、墨田区京島地区。
墨田区役所の担当者に案内してもらいました。

(墨田区都市計画部 森崇紀さん)「この地区は、幅が4mに満たない道路が非常に多く、(京島地区にある)道路全体の半分以上を占めています」

そのため、木密地域では、消防車や救急車といった緊急車両の侵入が困難なところも少なくありません。
関東大震災から100年、いま、進む対策とは?

(墨田区都市計画部 森崇紀さん)「こちらの細い道路もしっかりと抜ければ、広い道路に出ることができます。そうすれば、火災のときなどに避難経路として有効になります」

対策の一つとして、道幅を6m以上に広げることにより、消防活動空間や避難経路を確保する生活道路計画があります。
京島地区では、2000年に地元の協議会が定めた、「優先して整備するべき道路」の拡幅整備を進め、2022年度末には7路線のうち6路線目の整備が完了。
今年度からは、新たに3路線を追加して整備を進めています。
さらに、道路以外にも整備を進めている対策が。

(墨田区都市計画部 森崇紀さん)「一時的な災害時の避難を目的に整備した広場です。これまで、京島地区内に小規模な広場を19カ所、整備しました」

2021年には、地元協議会の提案を受け、断水時においても、消火用水、生活用水として活用できる、防災井戸のある広場を整備しました。
このような防災広場は、一時的な避難だけでなく、火災が起こったときの延焼を防ぐ、延焼遮断帯としても役立ちます。

(墨田区都市計画部 森崇紀さん)「墨田区では、こういった道路の拡幅や広場の整備を含め、災害に強い安全・安心の街づくりを推進してまいります」

そして、都でも、木密地域で老朽化した個人宅の解体や建て替えなど、各区が推進している不燃化の取組に対し、専門家の派遣や費用を助成する支援を行っています。
これからも燃えない・燃え広がらない街づくりを進めていきます。

都では、100年先も安心な都市を目指して、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://tokyo-resilience.metro.tokyo.lg.jp/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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