<レスリング>【2023年世界選手権・特集】第6日出場選手の声(男子グレコローマン4階級)

 

(2023年9月21日、セルビア・ベオグラード / 取材=布施鋼治)


 ■男子グレコローマン55㎏級・尾西大河(早大=初戦で昨年王者のアジズリに肉薄。敗者復活戦へ)「組み合わせが出て、対戦相手が前年の世界王者と分かって、緊張より楽しみの方が大きかった。世界王者に勝つ準備はしてきたので、思い切りいけた。でも、相手の方がスタンドのさばき方が上だった。グラウンドでも、相手は一回で(ローリングを)返したけど、僕はできなかった。

 体力では普通に勝負できた。相手の方がスタンドのかわし方など技術的な部分が上だった。ただ、メチャクチャ強いわけではないし、勝てない相手ではないと思いました。勝つために、スタンドでポイントを取り、グラウンドで返すことが自分には足りない。これから練習を重ねて取り組んでいかないといけないと思いました」


 ■男子グレコローマン77㎏級・日下尚(三恵海運=準決勝で昨年の世界王者マフムドフにあと一歩)「前半のスタンド・レスリングで失点したことが、後半で響いた。後半は相手も結構ばてていたので、あと一歩、前に出たかった。でも、トーナメントの疲れもあって、出たいときに出られなかった。まだまだ自分の甘さがあった。

ただ、世界との実力差はそんなにないことが分かった。負けて悔しい気持ちはあるけど、明日の1試合(3位決定戦)で、人生をかけてきたものが手に入る。悔しいけど、気持ちを切り換え、明日は絶対に取ります。自分は世界選手権の優勝とオリンピックのために来た。正直、今日、どこで負けたとしても、オリンピックに行けなければ意味はないと思っている。準決勝に進んだことが快挙とは思っていない」


 ■男子グレコローマン82㎏級・屋比久翔平(ALSOK=初戦で地元のセルビア代表に敗北)「最初の展開がよくなかったですね(パッシブからローリングされ3失点)。最初の失点は最小限にというのが課題だったけど、改善できていなかった。今日の相手に関しては、そこまでフィジカルの差を感じなかった。ただ、自分のグラウンドの技術、とくに守りの悪いところが相手のいいところとかみ合ってしまった。

 日本では87㎏級の角(雅人)さんとやっても、(リフトを)上げたりしている。なので、自信はあったけど、前半で点数を取られすぎ。取りにいかないといけない。(主審に訴えかけていた場面について)5点のビハインドでも十分取り返す自信はあった。そこでスタンドになると思ったら、グラウンドでリスタートに。そこはおかしいんじゃないか、と思いました。僕らと審判の解釈が違っていた。そこでさらに失点したことが敗因だと思います」


 ■男子グレコローマン130㎏級・奥村総太(自衛隊=初戦でウクライナ代表に1-5で敗北)「初めての世界選手権だったので、緊張もあった。後半はしっかりとスタンドでは攻めることができたけど、グラウンド面は課題になった。グラウンドの攻めはしっかり組んで回すという部分が弱かったかな、と実感しています。

 世界の壁はすごく高いものだったけど、越えられないものではないとも思いました。常日頃の練習を積み重ねていったら、越えられるものだと思う。帰国したらグラウンドの守りを強化したい。あと、スタンドでもしっかりとり切ること。外国の選手が相手でも、しっかりと押し出せるパワーをつけたい。外国の選手は軸がしっかりしていて、岩がぶつかっているような感じだった」

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