【がんばれ!郷土力士】大の里V争い残った 「あと2日」集中高め

  ●十両、11勝で1差追走

 大相撲秋場所(両国国技館)13日目の22日、東十両14枚目の大の里(二所ノ関部屋)は同4枚目の欧勝馬を押し出し、11勝目を挙げた。十両優勝争いは1差で一山本を追う展開で、残り2日間に望みをつなぐ。大の里は優勝争いに「全く考えてない。あと2回、国技館に来て相撲を取ることだけ考える」と目の前の一番への集中力を高める。石川勢で番付最高位の西前頭10枚目の遠藤(追手風部屋)は2場所連続の勝ち越しを決め、存在感を示した。

 「おおー」。大の里が2秒で欧勝馬を押し出すと、会場がどよめいた。激しいもろ手突きで欧勝馬をはじき飛ばすと、そのまま電車道で勝負を決めた。同じ日体大出身で2学年先輩に何もさせない完勝で「先輩からの勝ちは光栄。楽しんでやった」と手応えを口にした。

 この日は1年先輩の兄弟子で、ともに十両に昇進した高橋も勝ち越しを決め「目の前で見てたんで勝ってくれて良かった」と喜んだ。高橋とは二人部屋で生活しており、毎日一緒に車で国技館に来ている。高橋も、大の里の活躍に刺激を受けており「先輩として負けてられない」と互いを高め合っている。

 大の里は12日目の北の若戦での黒星には悔しさを隠しきれなかったが「負けたんで切り替えて、自分の中でテーマを持ってあと3日間いこうと思っていた」と土俵に向かう心境を明かした。11勝目には「一日一番の積み重ねなので、良かったなと思う」と語った。

  ●遠藤2場所連続勝ち越し/「準備するだけ」

 遠藤は元気のいい相撲で西前頭13枚目の錦富士を下した。踏み込みで上回り、はたいて左に回り込む錦富士を一方的に押し出し「あそこまで押せたので良かったのではないか」とうなずいた。先場所に続く勝ち越しに「良かった。明日も土俵に立てるように準備するだけ」とベテランの風格を漂わせた。

  ●朝乃山勝ち越し 元大関対決制す

 西前頭2枚目の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)は東前頭11枚目の御嶽海との元大関対決を制し、勝ち越しを決めた。復帰してから8場所連続の勝ち越しで「通過点。あと2日、悔いのないよう自分の相撲を取り切る」と話した。

  ●輝は5連敗 十両転落が濃厚 

 再入幕の輝(高田川部屋)は5連敗で9敗目を喫し、来場所の十両転落が濃厚になった。東前頭8枚目の琴恵光に右差しを許し、寄りに後退すると、左突き落としも通じず、土俵を割った。「しっかり足を出して、圧力をかけていこうと思ったが」と悩ましげに語った。

 幕下で西11枚目の欧勝海(津幡町出身、鳴戸部屋)が西17枚目の北大地に上手投げで屈し、5勝2敗で終えた。来場所は幕下5枚目前後に番付が上がる見通しで「来場所は今場所以上に勝てるように頑張りたい」と決意を新たにした。

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