もし北海道に地域貢献するなら、どんな投資先が考えられる?利益追求だけじゃない株式投資の魅力とは

新NISAが話題となっており、長期投資を検討する方が増えているのではないでしょうか?

今回は、長期投資だからこそ考えていただきたい、株式投資の社会貢献についてお伝えさせていただきます。


株式投資による社会貢献とは

株式投資は、ただの利益追求の手段と思われがちですが、実はそれ以上の価値があります。

そもそも株式投資とは、企業の成長を支えるために、自らのお金を投じてその企業の一部を所有することを意味します。投資することで企業は資金を得て、新たな商品開発や事業拡大に活用することができるのです。

そして、その企業が成長することで、経済全体が活性化します。雇用が生まれ、給与が増加し、消費が拡大する。この連鎖が、社会全体の繁栄につながっていきます。

身近なところで、地元の企業に投資するという選択もあります。地元の企業が成長すれば、その地域の経済も活性化します。地域の雇用機会が増え、子どもたちが地元で働く選択肢が広がります。つまり、地元の企業を支えることは、その地域を豊かにすることに直結するのです。

私は北海道の小樽市で生まれたので、北海道に貢献したいとする気持ちがあります。例えば北海道の事業に投資を検討する際、どのような方法があるか考えてみましょう。

まず情報収集が必要ですよね。北海道の地方紙や専門雑誌は、地元の企業の動向や新興企業に関する情報を詳しく取り上げているので、チェックしてみるのもいいかもしれません。また北海道内の経済団体や商工会は、地元の企業情報を持っていますし、新規事業や拡大を検討している企業の情報を得ることができるかもしれませんね。

ただ、いきなり「投資したいんだ!」と企業に突撃しても、その企業が投資を必要としているかもわかりませんし、交渉が必要となります。その点、株式投資を活用し、証券取引所の情報を利用していくことが現実的なのではないでしょうか。

一部の北海道の企業は、東京証券取引所や札幌証券取引所に上場しています。これらの取引所の公式サイトで、上場企業の情報や業績などを調査することができます。

もし叶うなら、直接北海道に訪れて、地元のビジネスの現場を体感することも投資の手がかりになるでしょう。現地の人々との交流や、実際の店舗や工場を訪問することで、投資の判断材料となる情報を収集できます。地元の人であれば容易かと思いますし、故郷であれば帰省の際にリサーチすることもできるかもしれません。

北海道の上場企業とは

2023年9月現在、北海道に本店を置く上場企業は59社あります。その一例として、有名企業のニトリホールディングス(9843)を挙げさせていただきます。

ニトリは、国内外の家具市場において独自の強みを持つ企業として知られています。まず多くの家具メーカーが海外企業や外部からの商品仕入れをしているなかで、ニトリは製造から物流、販売までの全プロセスを自社一貫して行っています。

この一貫体制が商品開発から製品化までの期間の短縮を可能とし、市場への迅速な対応を実現しています。加えて一貫体制による中間コストの削減と、独自の製造物流IT小売業のビジネスモデルで、高品質な商品を低価格で提供することを可能にしていることが強みと言えるでしょう。

またニトリは2005年に北海道応援基金を設立し、文化や伝統、環境保護など地元に対して助成をしています。ふるさと北海道植樹支援では、2007年からの2019年までに延べ930団体の500万本を超える全道各地の植樹活動の支援もしています。

このように投資家目線で地元の企業を分析してみると、事業モデルやビジョン、地域への貢献などを知ることで、企業を通してより地元について知ることにも繋がるのではないでしょうか。

ほかにも北海道でいうと、建機レンタル事業のカナモト(9678)や、地銀の北洋銀行(8524)、食品スーパーのダイイチ(7643)やイオン北海道(7512)、化粧品などのネット通販を行う北の達人コーポレーション(2930)、学習指導塾などの進学会ホールディングス(9760)といった、さまざまな企業があります。

地元に関連した企業に投資をするというのは、企業名を知っていたり、サービスを利用したりしていることでも、決算書を読んだ時にイメージや理解がしやすかったり、投資家としての優位性や安心感にもつながると考えます。実際に私も地元企業に投資をしています。

地元企業を応援できる投資信託もある

個別銘柄はちょっと…という方は、地元企業や関連企業の株式・公社債を組み入れている投資信託はいかがでしょうか? 地元に関わりの深い企業を投資先としてポートフォリオの一部に組み入れているような応援ファンドは、地域経済の活性と企業の業績向上の好循環を生み出したい、という狙いで設定されている商品が複数あります。

例えば三重県関連株マザーファンドは、三重県に本社または本店がある企業や、三重県に工場、店舗があるなど、三重県に関わりが深い企業などにファンドを通して投資ができます。三重県関連株マザーファンドの組入上位にはジャパンマテリアル(6055)や百五銀子(8368)、本田技研工業(7267)など、三重県の名だたる銘柄が組み込まれています。

また、三重県関連株マザーファンドでは三重県の社会福祉向上のために日々の純資産総額に対し年率0.15%、信託報酬から寄付を行っているため、投資をすることが間接的に三重県への寄付にもつながります。なお、実際の運用は三重県関連株マザーファンド、内外債券マザーファンド、Jリート・マザー ファンドを通じて行われているため、全てが三重県関連株に投資されているわけではありません。

第四北越証券では、にいがた未来応援グローバル株式ファンド(愛称:グローカルにいがた)という商品もあります。グローバルとローカルを掛け合わせた造語でグローカルと名付けられているように、新潟関連株式、高配当日本株、外国株式ポートフォリオに分散投資している、新潟の企業にも投資するグローバル株式ファンドです。

新潟関連株式としては新潟県に本社や工場、店舗がある企業が対象とのことで、亀田製菓(2220)や雪国まいたけ(1375)、ブルボン(2208)、コメリ(8218)などの有名企業が組み込まれています。

ほかにも福井県応援ファンドや香川県応援ファンド、くまもと未来応援ファンドなどがありますので、気になる地域がある方は調べてみてください。


株式投資は、単なるお金を増やす手段だけではありません。社会、そして地域をより良くする力を持っており、投資をすることで、その一翼を担うことができるのです。地元という切り口で投資家として地元に貢献する、というのも素敵かもしれませんね。

最後に、投資はリスクを伴いますので、しっかりとした情報収集と自身の資産状況、投資目的を明確にし、慎重な判断を行うことが重要です。皆様が投資と向き合うきっかけになれば幸いです。

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※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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