なぜ?七ツ森古墳群のヒガンバナ、開花まばら 原因不明、例年の半分に満たず【大分県】

七ツ森古墳群のヒガンバナ。20日の彼岸を過ぎても赤い花はまばら=22日、竹田市戸上

 【竹田】9月中旬に大規模な群生をすることで知られる竹田市戸上の七ツ森古墳群(国指定史跡)のヒガンバナが、今年は彼岸(20日)を過ぎても通常の半分に満たない開花状況となっている。原因は分かっておらず、このままシーズンを終えるのかと地元関係者は気をもんでいる。

 市などによると、広さ約2千平方メートルの古墳群一帯に20万本以上が自生。例年は8月下旬から咲き始め、9月下旬まで楽しめる。

 群内は市内外から訪れた人らでにぎわっているが、主役のヒガンバナはまばら。19日に見に来た臼杵市野津町の主婦渡辺秀和(ひでわ)さん(83)は「昨年は通路以外、密集して真っ赤だった。どうしてやろうか」。毎年のように訪れているという佐伯市直川の主婦杉田ミドリさん(73)も「例年の半分もない。こんなのは初めて」と驚いた。

 現地の草刈りなど美化活動を20年以上にわたって続ける地元3自治会の「彼岸花祭り実行委員会」は、新型コロナウイルス禍で自粛してきた祭りを17日に4年ぶりに開催。ただ開花状況を踏まえ、野菜の直売などは見送った。

 実行委の大塚邦彦会長(78)は「花は例年の100分の1ほど。茎が少なく、今季は群生の観賞が難しそう。気温が高く降雨が少なかった影響だろうか。来年以降、開花するのか心配」。古墳群の周辺でも少ないという。

 同古墳群を所管する市まちづくり文化財課は「これまで経験したことがないケース。様子を見守りたい」と話した。

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