五島洋上風力 浮体構造部の不具合 運転開始時期を2年延期

建造中の洋上風力発電の浮体部分=2022年7月、五島市福江港

 戸田建設(東京)は22日、五島市沖で計画が進む浮体式の洋上風力発電施設について、運転開始時期を2年延期し2026年1月にすると発表した。風車を支える浮体部に不具合が見つかったことが原因で、建設に当初よりも時間が必要となった。設置済みの浮体部についても問題がないか検証する。
 同社によると、福江港で製作中の2基に見つかった不具合について、既に原因究明や改修などを実施している。現在同市沖に設置済みの3基のうち1基を同港に陸揚げして健全性を検証した上で、残り2基の取り扱いについて判断する予定という。
 計画は洋上風力発電8基で、風車を海に浮かべる浮体式。出力は計1万6800キロワットになる。ほかに大阪ガスやINPEX(インペックス)、関西電力などが参加している。
 同社は、浮体の構造部に不具合が見つかったため建設費用が増加するとして、23年3月期に約95億円の減損損失を計上した。
 発表を受け、五島市未来創造課は「安全第一で工事を進め、確実な運転開始を望んでいる」とした。

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