米越、史上最大の武器取引交渉か F16戦闘機など、中ロ反発も

ベトナムの最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長(前列右)と、同国を訪問したバイデン米大統領(同左)=10日、ハノイ(AP=共同)

 【ハノイ共同】ロイター通信は23日、バイデン米政権がベトナムとF16戦闘機を含む史上最大規模の武器取引に関する交渉に入ったと報じた。交渉は初期段階で来年にもまとまる可能性があるが、成立しないこともあり得るとしている。南シナ海問題で中国と対立する中、米国とベトナムには連携を深める思惑があるという。

 ベトナムは兵器調達でロシアに依存しており、中国とともにロシアの反発も予想される。取引が実現すれば米国が介入し撤退に追い込まれたベトナム戦争の終結から半世紀近くを経て、両国関係が新たな段階に入ることになる。

 ロイターによると米国製武器は高額なため米側は特別な融資も検討している。

 バイデン大統領は今月10日にベトナムの首都ハノイを訪れ、最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長と会談。両国関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすると発表していた。

 米国は1995年の国交正常化後、武器関連の禁輸措置を段階的に緩和。2016年に武器輸出規制を全面解禁していたが、限定的な協力にとどまっていた。

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