【角田裕毅F1第17戦分析】予選目標を達成「限界を引き出し、すごく楽しみながら走ることができた」

 2023年F1第17戦日本GPを直前に控えた木曜日に角田裕毅(アルファタウリ)は「予選はQ3、レースはポイント」と日本GPについて具体的な目標を口にしていた。

 その翌日、走り始めの金曜FP1で5番手となるも、以降FP2は18番手、土曜午前のFP3は14番手と大苦戦。しかし、角田は23日午後に行われた予選で目標どおりQ3進出を果たし、9番グリッドを掴み取った。

「FP3は、ちょっとトラフィックもあったりして、自分のなかでまとめきれなかった部分があったので、自分でも改善できる部分があることは分かっていました。あとは、もちろんセットアップも少し変えて、FP1〜FP3で少しずつ試していたものをひとつにまとめ上げたという感じです」と、角田は日本の報道陣に語った。

 アルファタウリはリアム・ローソンが予選11番手に入り、2台揃ってフリー走行の不調からの挽回が叶ったと言えるだろう。ただ、ローソンはQ1で新品ソフトを3セット使用する一方、角田は最初からQ3進出を狙っていため、Q1での新品ソフトの投入を2セットに留めた。その結果、Q1でローソンは4番手、角田は8番手と、チームメイトに先行されるかたちとなったが、アルファタウリ勢でQ3に進んだのはQ1で使用セット数を抑えた角田だけだった。

2023年F1第17戦日本GP 角田裕毅(アルファタウリ)

「とにかく楽しめて走ることができたのは本当に良かったです」と満足した表情を浮かべた角田。ただ、Q3の最後のラップについては「本当に満足しているかと言うと、もうちょっといけた部分もあると思います」と口にする。

「もちろんドライバーとして100パーセントのラップは一生できないと思うので、できるだけ100パーセントのラップに近づけるためにいろいろと高めていきたいです。でも、悪くなかったと思います。いろいろなコーナーでクルマの挙動が乱れて、限界を超えていたので、その部分はある程度(限界を)引き出すことができたと思います」

 Q3進出により、木曜日に明言していた目標は半分クリアした角田。残す目標は『レースでのポイント』となる。そんな決勝へ向けては「(ロングランを試した)FP2でタイヤが結構摩耗したので、タイヤ戦略が忙しくなると思います。(チームとの)コミュニケーションが重要になると思うので、そういった部分を意識して、ストラテジーを念入りに考えていきたいです」と角田。

「もちろんポイント獲得を目指して頑張りますけど、今日はすごく楽しめて走ることができたので、明日も楽しむことを忘れずにしたいです。あとはファンの皆さんと楽しい気持ちをシェアすることができればなと思います」

2023年F1第17戦日本GP 契約更新をファンに直接伝えた角田裕毅(アルファタウリ)

 この予選日の朝9時にはアルフタウリから2024年も角田がレギュラーF1ドライバーとしてチームに残ると発表された。来季F1で4シーズン目を迎えることについては「まずひとつ、不安がなくなったことは良いことですし、その分もっと全力を出すことができるので良かったです」と口にした。なお、角田はFP3開始直前に鈴鹿サーキットのポディウムに立ち、自らの口でファンに向けて直接、自分の言葉で契約更新を発表している。

「とにかく日本人のファンの方々の前で発表できたことは世界初だと思うので良かったと思います。あとは、本当にレッドブルとホンダに感謝したいです。彼らのおかげで今この場にいますし、このパフォーマンスを出せていると思うので、感謝したいです」

 2023年F1第17戦日本GPの決勝は、9月23日(日)の14時に53周レースのスタートを迎える予定だ。9番グリッドからスタートを迎える角田は、秋の鈴鹿でどのような走りを見せてくれるだろうか。その快走ぶりを、この目に焼き付けておきたいところだ。

2023年F1第17戦日本GP 角田裕毅(アルファタウリ)

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