新幹線、南加賀駆ける 走行試験始まる

細坪架道橋を走行するイーストアイ=23日午前9時17分、加賀市細坪町(ドローンから)

  ●W7系は26日から

 来年3月16日に開業する北陸新幹線金沢―敦賀間で23日、走行試験が始まり、新幹線車両が初めて小松、加賀温泉両駅にお目見えした。JR東日本の新幹線電気・軌道総合検測車「イーストアイ」が、線路や架線などを点検しながら同区間の総延長約125キロを低速で走った。26日からは営業用車両「W7系」による走行試験が始まる予定で、「第2の開業」に向けた準備が着実に進む。

 走行試験は工事を担う鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR西日本が実施した。イーストアイは23日午前1時56分に白山総合車両所を出て、2時28分に金沢駅を折り返して敦賀方面に出発。4時37分に小松駅、7時28分に加賀温泉駅に到着した。

 駅と駅の間は時速40~45キロ、駅構内では30キロで走り、小松―加賀温泉駅間で電車に電力を供給する設備の切り替え作業がうまくいかず停車する場面もあった。

 イーストアイは加賀温泉駅を出た後、芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の各駅を経由し、敦賀車両基地に向かった。各駅の到着時間は当初の目安から大幅に遅れたが、この日の試験で異常は確認されなかった。

 イーストアイは、24日は敦賀車両基地で車体の点検を行う。25日午前に同基地を出て、白山総合車両所に向かって折り返しの走行試験を行う。

 W7系は26日未明に白山総合車両所を出発し、金沢駅―敦賀車両基地間を最高時速110キロで走行する。11月中旬に最高速度である時速260キロに到達する予定。イーストアイ、W7系による走行試験は12月9日まで計40日程度行われる。

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