認知症のお父さんを訪問した時に猫が見せたまさかの行動…『心にほろっとくる』『本当に優しい子』と称賛の声があふれる

認知症のお父さんが住むお家へ、愛猫のムクくんと一緒に向かった飼い主さん。そこでムクくんがお父さんと飼い主さんに見せてくれた優しさあふれる行動に、感動したという人が続出。
YouTubeで161万回以上再生され、230件を超えるコメントが寄せられた、人との絆を感じさせてくれるステキなひとときが話題になっています。

ちゃんと覚えてるんだよ!猫の優しさと賢さがわかる姿に感動

YouTubeに投稿されたのは、お父さんが暮らす家に毎日訪問している飼い主さんの、とある日の夕方を映した動画です。

この日飼い主さんは、里親募集で出会った愛猫のラグドール、人懐っこい「ムク」くんも一緒に車に乗せて、お父さんの夕食を準備するためお家を訪れました。

実は、飼い主さんのお父さんは認知症のため、以前あったことを長く覚えていることができません。

ムクくんとも会ったことがあるのですが、名前や性別、飼うことになった経緯など、ムクくんのことはすっかり忘れてしまったようです。

しかし、ムクくんはお父さんのことを覚えていたのか、警戒したり、威嚇することもなく、お部屋の探索を自由に始めます。

覚えていなくてもムクくんのことは気になるお父さん

ウロウロとお部屋を歩いている中でも、ムクくんはお父さんの様子を観察しています。

この日、認知症のお父さんは、飼い主さんと毎日一緒に夕飯を食べていることを忘れてしまい、「もう食べた、朝食べる」と夕飯を食べることを避けようとしました。

そんな時、ご飯を食べてほしい飼い主さんと、夕飯はいらないと言うお父さんの会話のやり取りを聞いていたムクくんが、ご飯を食べるテーブルがある部屋へとお父さんを誘導するように歩いていきます。

会話の内容をすべて理解していたわけではないにしろ、その場の雰囲気を察知したかのようでした。

お父さん、テーブルはこっちだよ

ムクくんが気になっているお父さんは、テーブルの下で毛づくろいを始めたムクくんの近くに座って見守りながら、コミュニケーションし始めます。

お父さんは、少し前に長年連れ添った妻(飼い主さんのお母さん)を亡くし、1人になってから、認知症の症状も進んでしまい、静かな人になってしまっていました。

ムクくんは、そんなお父さんを前にごろんと寝転んでみたり、目線を合わせたりしながら、優しい雰囲気を作ってくれています。その姿はまるで、ご飯を食べるテーブルまでおいでよ!と誘っているようでもありました。

お父さん、ご飯食べないの?

ムクくんが近くにいてくれることに和やかな気持ちになったのか、お父さんもテーブルに座って夕飯を食べ始めてくれました。

食事中のお父さんのそばに近寄り、ご飯を食べていることを確認すると、ムクくんは安心したかのように飼い主さんの元へ行き、じゃれて遊び始めます。遊びが終わると再びテーブルの下に行き、お父さんの足元で伏せていました。

しかし、ここでムクくんの様子にもちょっとした違和感が。まるで、何かを探すかのようにキョロキョロしたり、お部屋をウロウロと歩き出します。

テーブルの下であちこちをキョロキョロ

探しものについて聞いているかのようなムクくん

飼い主さんは、そんなムクくんの探しものをしている様子に、「もしかして…」と思いあたることがありました。

それは、少し前に飼い主さんとお父さんがお別れをした、お母さんの存在です。

テーブルを挟んで、お父さんが座る椅子の反対側にある座椅子にムクくんが目を向けたり、匂いを嗅いだりしているのを見て、飼い主さんはわかったようです。お母さんがいた頃は、その座椅子がお母さんの定位置でした。

お母さんがいないことを理解したのか、ここでムクくんがまさかの行動を取ります。お母さんの座椅子にムクくんが座り、その場所からお父さんや部屋の様子を眺め始めたのです。

お母さんの座椅子に座るムクくん

ムクくんのその姿を見て、ぐっときた飼い主さん。飼い主さんもムクくんにならい、お母さんの座椅子に座ってみました。

すると、ムクくんがすぐに甘えに来てくれて、穏やかな時間が流れます。

飼い主さんに甘えるムクくん

座椅子に座った飼い主さんの目線の先には、お父さんの姿。

生前のお母さんがこの座椅子に座った時に、テーブルを挟んで正面に座るお父さんをどのように見ていたのか、ムクくんがきっかけをくれたことで飼い主さんも改めて知る時間となりました。

穏やかな雰囲気を感じたのか、ムクくんはお父さんと飼い主さんの間となるテーブルの下で、のんびりとし始めます。

そんなムクくんを、お父さんは手を伸ばして優しくなで始めました。

お父さんがくつろぐムクくんを優しくなでなで

お父さんはもうすぐ入院することになっているため、飼い主さんはムクくんがお父さんと会うのは「これで最後だろう」と感じています。

その最後のタイミングで、ムクくんがお父さんに優しい時間をもたらしてくれたことは、お父さんがすぐに忘れてしまったとしても、飼い主さんとムクくんが覚えていてくれるに違いありません。

ムクくんに手を伸ばすお父さん

お父さんは食後の散歩に行く前にもムクくんをなでて、とても可愛がっている様子です。

お父さんが散歩に出かけてから、ムクくんはお父さんの定位置である座椅子を見つめた後にそっと座り、まるでお父さんの帰りを待ってくれているかのようでした。

散歩に行ったお父さんの椅子に座るムクくん

飼い主さんが夜に自宅へ戻ると、同居猫のふくちゃんがムクくんを出迎え、そっと寄り添います。

大役を果たしたムクくんをねぎらうかのように、優しくグルーミングしてくれました。

この日ムクくんが見せてくれた行動には、『なんて優しいムクちゃん。支えの必要な人がわかるのですね』『優しいムクちゃんの行動に涙がでました』『言葉は発しなくてもちゃんと分かってるんですね』といった称賛の声が集まりました。

また、『ムクちゃんの名前は覚えられなくても、ムクちゃんの存在にお父様も心が癒されたことでしょう』『物言わずとも人に寄り添い気持ちを理解し優しさをくれる存在はとても大きいですね』『こんなに優しい素敵なお話をありがとう』といった、共感のコメントも多く寄せられています。

優しいムクくんが飼い主さんの家族になった経緯や、同居猫たちとの日常風景は、他の投稿でもご覧いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。

ムクくん、飼い主さん、この度はご協力いただき誠にありがとうございました!

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