V長崎 首位町田に大敗 暫定6位に後退 サッカーJ2

【V長崎-町田】リーグ戦最多の6失点で敗れ、肩を落とすV長崎の選手たち=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第36節第1日(23日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=6試合)V・ファーレン長崎は首位町田に0-6で大敗した。6失点は2013年のJリーグ参入以来、リーグ戦のクラブワースト。通算15勝10分け11敗の勝ち点55で5位から暫定6位に後退した。
 V長崎は前半27分に中村がスパイクの裏を相手に向けたタックルで一発退場。9分後の36分にヘディングシュートで先制を許すと、ロスタイムに直接FK弾を浴びた。後半は28、33、40、43分に連続失点。町田は4試合ぶりの白星で勝ち点71とし、得失点差も36に伸ばした。
 千葉は仙台に3-1で勝ち、V長崎を抜いて勝ち点57の5位へ。大分は水戸を1-0で下し、6試合ぶりの勝利で同54の暫定7位に浮上した。
 第36節最終日は24日、各地で5試合を実施。第37節は30日、10月1日、各地で計11試合が予定されており、V長崎は1日午後2時から静岡県磐田市のヤマハスタジアムで磐田と対戦する。

◎退場響きワースト6失点

 首位を討ち、昇格へ弾みをつける青写真を完膚なきまでにたたきつぶされた。序盤に退場者が出たことが響き、クラブ史上ワーストの6失点。トラスタに動員した今季最多1万3893人の観客は静まり返り、ダメ押しの3点目が決まった後半途中からは席を立つサポーターの姿も散見された。
 カウンターの応酬でどちらが先にゴールを射止めるか読めないスリリングな展開は、前半27分に一変。自陣でボールを失いそうになった中村が焦って足を伸ばしたプレーが危険タックルとみなされ、主審からレッドカードが提示されると、流れは一気にアウェー町田に傾いた。わずか9分後に先制点を献上。その後も数的不利を跳ね返せずに失点を重ねた。

【V長崎-町田】後半22分、V長崎の増山(中央)が右サイドをドリブルで駆け上がる=トラスタ

 敵地で相まみえた6月の対戦時は1-4で完敗。センターバックの櫛引は「やられた分をやり返したい」と意気込み、序盤はマッチアップしたオーストラリア代表のデュークに自由を与えなかったが、前回からさらに差を広げられる結果に終わった。
 今夏の完全移籍加入以降、司令塔として攻撃にリズムを生み出していた中村はレッドカードを受けたため、次節も出場できない。さらにこの日は最終ラインで守備を支えていた今津と岡野が相次いで負傷退場。前節も主将の米田がけがで途中交代している。
 「サポーターに謝りたい。そして私たちは顔を上げて次に進みたい」。そう言葉を絞り出し、うつむいて会見場を後にしたカリーレ監督。苦境は続き、次節は暫定3位の磐田とアウェーで対戦する。


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