29日(金)は中秋の名月 西日本や東・北日本太平洋側でお月見チャンスあり

2021年9月21日の満月(香川県高松市)撮影=鈴木悠

 今週29日(金)は中秋の名月で、国立天文台によると今年は満月と同じ日になるという。今の所、西日本や東日本から北日本の太平洋側では晴れ間が期待でき、お月見するチャンスがありそうだ。

中秋の名月とは

中秋の名月 29日(金)午後9時ごろの東京の星空 引用=国立天文台HP

 中秋の名月とは、旧暦8月15日の夜の月のことで「十五夜」や、農業の行事と結びついて「芋名月(いもめいげつ)」などと呼ばれることもある。日本でお月見の宴が行われるようになったのは平安時代の前期で、中国から伝わったとされている。
 国立天文台によると、中秋の名月は必ずしも満月とは限らないが、今年の中秋の名月は満月と同じ日だということだ。なお、次に名月と満月が重なるのは7年後の2030年となる。

西日本ほど晴れ間が期待できそう

 国立天文台によると、東京では29日(金)午後5時32分ごろに満月が東の空に昇りはじめ、午後11時44分ごろに南中時刻を迎えるという。その後、翌30日(土)午前6時6分ごろに西の空へ沈んでいくそうだ。
 今の所、29日(金)は西日本や東日本から北日本の太平洋側では晴れ間がある見込み。お月見するチャンスがありそうだ。北陸や北日本の日本海側は低気圧の影響で雨が降りやすい見通し。

昔から雨名月などと呼ばれることも

 なお、昔から中秋の名月のころは低気圧や秋雨前線の影響で曇りや雨となり、月が見られないことが多いため「中秋無月(ちゅうしゅうむげつ)」や、特に雨に降られて月が見えないときを「雨名月(あめめいげつ)」「雨月(うげつ)」などと言うこともある。

 また、中秋の名月当日が曇りや雨の日が多いためか、十五夜の前後の旧暦8月14日から20日までの月は「待宵(まつよい)」「十五夜」「十六夜(いざよい)」「立待月(たちまちづき)」「居待月(いまちづき)」「臥待月(ふしまちづき)」「更待月(ふけまちづき)」と順に名づけられており、何とか名月を眺めたいという強い気持ちがうかがえる。

 北陸や北日本の日本海側では、中秋の名月当日が「中秋無月」や「雨名月」でも、十五夜前後の月を愛でるのもいいかもしれない。

(気象予報士・鈴木悠)

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