インドとカナダ、急速に関係悪化 シーク教徒殺害巡り、米も苦悩

ハルディープ・シン・ニジャル氏が描かれた横断幕が掲げられたシーク教寺院。6月の同氏殺害の現場となった=20日、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州(ロイター=共同)

 【ニューヨーク、ニューデリー共同】カナダでのシーク教徒殺害事件を巡ってトルドー首相がインド政府の関与の可能性を指摘し、両国関係が急速に悪化している。インドは「カナダがテロリストに潜伏先を提供している」と不満をぶちまけ、互いに外交官を追放し合う事態に発展。関係が深い国同士の対立に、中国との競争を抱えるバイデン米政権も苦悩する。

 発端はカナダ西部のシーク教寺院駐車場で6月18日に発生した銃撃事件だった。殺害されたのはハルディープ・シン・ニジャル氏。シーク教徒の独立運動に関わり過激派組織の幹部とされ、インド政府が「テロリスト」として指定していた。

ハルディープ・シン・ニジャル氏の葬儀で悲しむ女性=6月、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州(DARRYL・DYCK、カナダ通信提供・AP=共同)

© 一般社団法人共同通信社