【インドネシア】脱炭素タスクフォース発足へ、日本官民参画[経済]

脱炭素に向けたタスクフォースを発足することで合意した前田匡史氏(右)とアイルランガ調整相=21日(インドネシア経済担当調整省提供)

日本の経済産業省とインドネシアの経済担当調整省は21日、アジア各国の脱炭素の連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想に基づき、脱炭素に向けたプロジェクトが直面する課題や解決策について検討を行うタスクフォースを発足することで合意したと発表した。

インドネシアの首都ジャカルタで、アイルランガ調整相(経済担当)、内閣官房参与で国際協力銀行(JBIC)会長の前田匡史氏、金杉憲治駐インドネシア大使らが会談を行い、「AZEC日本—インドネシア共同タスクフォース」を発足することで合意した。日本側からは民間企業も参画する。日本側の官民と現地政府との間で協議の枠組みの発足が合意されたのは、ベトナムに次いでインドネシアが2カ国目。

インドネシア経済担当調整省の声明によると、タスクフォースは大臣級の政策決定者が参加する運営委員会、インドネシア経済担当調整省や日本の経済産業省、JBICの担当者が参加する専門家グループからなるほか、関連省庁や企業関係者も参画する。

21日の会談では、北カリマンタン州のカヤン水力発電所の開発や、地熱発電、二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯留(CCUS)技術、泥炭地の再生技術などでの協力の可能性についても協議した。

このほか、日本の環境省が認定する「2国間クレジット制度(JCM)」の活用についても協議。インドネシア側は、脱炭素化に向け、54件のプロジェクトと150件の調査を、JCMの枠組みで実施したい考えを述べた。

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