モラタが古巣にドブレーテ決めたアトレティコが今季初のマドリード・ダービーに完勝!敵地で完敗のレアルは今季初黒星に【ラ・リーガ】

[写真:Getty Images]

ラ・リーガ第6節、アトレティコ・マドリーvsレアル・マドリーが24日にシビタス・メトロポリターノで行われ、ホームのアトレティコが3-1で勝利した。

開幕2勝1分けの上々の滑り出しも、インターナショナルマッチウィーク明けとなった前節のバレンシア戦で0-3の完敗を喫し、今シーズン初黒星を喫したアトレティコ。また、ミッドウィークのチャンピオンズリーグ(CL)初戦のラツィオ戦では後半ラストプレーで攻撃参加した相手GKに劇的同点ゴールを献上し、1-1のドローに終わって勝ち点2を失う結果となった。

公式戦2戦未勝利とやや失速傾向で臨んだホーム開催のダービーではラツィオ戦から先発2人を変更。負傷のバリオスに代えて負傷明けのコケ、ヴィツェルに代えてヒメネスを起用した。

対するレアルは前節、難敵レアル・ソシエダとのホームゲームをフラン・ガルシア、ホセルの新戦力2人の活躍などで2-1の逆転勝利。開幕からの連勝を継続。続くCL初戦では初出場のウニオン・ベルリンの堅守に手を焼いたが、ベリンガムが後半アディショナルタイムに決めた劇的決勝点によって1-0の勝利。CLでも白星スタートを飾った。

昨季に続き難所メトロポリターノ攻略を狙ったエル・ブランコは、ウニオン戦から先発3人を変更。ナチョとチュアメニ、ホセルに代えてフラン・ガルシア、バルベルデ、クロースを起用。なお、前日会見でアンチェロッティ監督が起用の可能性を明言したヴィニシウスは招集メンバーに入っていたものの、胃腸炎でベンチ外となった。

ミッドウィークに明暗分かれたスペイン首都の両雄による、今季最初のマドリード・ダービー。アトレティコが普段通りの[5-3-2]で臨んだのに対して、レアルはカマヴィンガをアンカー、最前線のロドリゴの下にモドリッチとベリンガムを並べた[4-3-2-1]のクリスマスツリーの形でスタートした。

試合はホームのアトレティコがアグレッシブに入ると、ファーストチャンスをモノにする。開始4分、相手陣内左サイドでカットインを仕掛けたサムエウ・リーノがボックス左角付近から右足インスウィングのピンポイントクロスを供給。これに反応したモラタがDFアラバの背後からゴール前に飛び出して完璧なヘディングシュートを古巣のゴールへ流し込んだ。

敵地で出ばなを挫かれたレアルはすぐさま反撃を開始。カマヴィンガやモドリッチを起点に相手の[5-3-2]の守備ブロックの前で細かくボールを動かしながら揺さぶりをかけるが、なかなか効果的にフィニッシュまで持ち込めない。

レアルの攻勢を危なげなく凌ぎ切ったアトレティコは再び攻撃に出ていくと、この試合2度目のチャンスもゴールに結びつける。18分、再び左サイドに展開されたボールを受けてカットインを見せたリーノが背後に抜け出したサウールに冷静に縦パスを通す。サウールは左サイド深くで柔らかな左足のクロスを上げると、ゴール前に入り込んだグリーズマンがゴール右隅へヘディングシュートを流し込んだ。

2トップ揃い踏みで2点のリードを手にしたホームチームは、ここからやや重心を後ろにおいて守備時は[5-4-1]の形にシフト。より相手のプレースペースを消しながら、引き続きシステム上ミスマッチができるウイングバックを使った攻めで幾度も良い形を創出。とりわけ、右サイドのモリーナが再三の鋭い攻撃参加を見せる。31分には右の深い位置に侵攻したマルコス・ジョレンテの折り返しに反応したニアのサウールが右足のダイレクトシュートを枠へ飛ばすが、これはGKケパの好守に阻まれた。

何とか3失点目を免れたレアルは直後に個人技でゴールをこじ開ける。35分、右サイドでのパス交換からバルベルデが入れたクロスのこぼれ球に反応したクロースがボックス手前左で胸トラップと浮き球のボールコントロールで対面のジョレンテをかわして右足を一閃。これがニア下の完璧なコースに突き刺さった。

これで反撃の狼煙を上げたレアルは前半終盤にかけてようやく自分たちの形でアトレティコを押し込んでいく。終了間際にはセットプレーの流れからアラバの右ポスト直撃のシュートのこぼれ球をカマヴィンガが押し込むが、ここはオフサイドポジションのリュディガーのプレー関与によってゴールは認められず。

結局、アトレティコの1点リードで折り返した試合はハーフタイムに両ベンチが動く。シメオネ監督は負傷明けのコケを下げて戦前には先発起用が濃厚と見られていたヴィツェルを同じピボーテの位置に投入。対するアンチェロッティ監督は前半ややボールロストが目立っていたモドリッチを下げてホセルを投入。並びを[4-3-1-2]の形へ戻した。

両チームのハーフタイムの修正による変化に注目が集まったが、それを確認する前にスコアが動く。46分、右のハーフスペースを持ち上がったジョレンテを起点に左サイドへ展開すると、リーノとグリーズマンのパス交換から左サイド深くに抜け出したサウールにボールが繋がる。サウールは左足で丁寧な浮き球のクロスを上げると、ボックス内での駆け引きでDFアラバを手玉に取ったモラタがゴール右隅へヘディングシュートを流し込み、ドブレーテを達成した。

三度右サイドを崩されてヘディングゴールを叩き込まれるなど前半からの課題を修正できずに痛恨の2点差とされたレアルは、以降もグリーズマンのプレースキックからエルモソにクロスバーを掠める決定機を許すなど流れを引き戻せない。57分には精彩を欠いた両サイドバックをナチョ、フェルラン・メンディに入れ替えたほか、カマヴィンガに代えてチュアメニを投入した。

ここからリスクを冒して前に出るレアルだが、堅固なブロックで待ち構えるアトレティコの堅守を前に個人での仕掛けもコンビネーションも不発。チュアメニやリュディガーがミドルレンジから強烈なシュートを放っていくが、いずれも枠を捉え切れず。70分にはクロースを下げてブラヒム・ディアスを最後の交代カードとして切った。

一方、カウンターで相手を引っくり返す場面こそ作れぬものの、うまくボックスアウトの守備でレアルに決定機まで持ち込ませずに時計を進めていくアトレティコ。試合終盤には殊勲のモラタやリーノらを下げてデパイ、アンヘル・コレア、ハビ・ガランといった選手を続けてピッチに送り出し、完全に試合を締めにかかる。

その後、ベリンガムのコレアへのアフターチャージをきっかけにダービーの風物詩である小競り合いが起きたものの、最後まで宿敵に見せ場を作らせなかったアトレティコが会心のダービー勝利で公式戦3試合ぶりの白星を挙げた。敵地で完敗のレアルは開幕連勝が「5」でストップし、今季の公式戦初黒星を喫した。

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