圧倒的ペースで優勝のベゼッチ「スプリントのあとも、立ち直って意欲にあふれていた」/第13戦インドGP決勝トップ3コメント

 MotoGP第13戦インドGPの決勝レースがブッダ・インターナショナル・サーキットで行われ、MotoGPクラスで優勝したマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、3位のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が会見に出席し、初開催のインドGPのレースを振り返った。なお、2位を獲得したホルヘ・マルティン(プリーマ・プラマック・レーシング)は、体調不良により会見には出席しなかった。

■マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)【決勝:優勝】

「もちろん楽なレースではなかったよ。熱だとか、すべてがとてもタフだった。ただ、僕はバイクにいいフィーリングを持っていた。昨日のレースのあと、立ち直って意欲にあふれていたんだ。昨日だって、どうだったかはわからないけど、きっと5位よりはよかったはずなんだ」

「スタートはうまくいったけど、おそらくホルヘ(・マルティン)やペコ(フランセスコ・バニャイア)が僕をかわすだろうとは思っていた。だから落ち着きを維持して、彼らに離されないようにしたよ。そのあとチャンスがあったので前に出た。ちょっとアグレッシブだったかもしれないけど、そうしなくちゃいけなかった。僕は自分のペースを作ろうと努め、できる限りタイヤをマネージメントしながら攻めた。バイクは素晴らしかったよ。本当に、本当にうれしい」

「最初に走った時から、このコースは好きだった。どこもかしこも、すべてがクールだった。ハードブレーキングが必要な場所もあるけど、高速で走る場所、シケインもあったからね。フィジカル面としては、手もよくなっていた(※カタルーニャGPでの転倒により左手を負傷)から、ミサノみたいに切り返しはもう問題なかったんだ。セクター3は走っていてとても素晴らしかったし、ハードブレーキングのところもすごく好きだった。そこにフォーカスしようと努めていたんだ。通常、ペコやホルヘ、特にペコはそこ(ハードブレーキング)で差を生む。だから今回は、ライディングスタイルのその部分を主なギャップにしようと考えてこの週末をスタートしたんだ」

「チャンピオンシップについては、まだ考えていない。とても長いからね。でもとにかく(ポイント差は)詰まった……。ただ、この話をするのは好きじゃないんだよ(苦笑)。ペコやホルヘ、そしてブラッド(・ビンダー)は素晴らしいライダーだ。だから僕にとってはとても名誉なことだ」

「ただ、今日に関しては、純粋に楽しみたいと思っていた。僕にとって、きついウィークだった。数日前、友人を亡くしたからだ。だから、このレースを彼と彼の家族に捧げたかったし、この瞬間を楽しみたかった。このあとは日本だ。好きなサーキットだよ」

「インドのファンといるのは最初から大好きだったよ。ファンとのお祝いはクールだった。ファンに僕のハートをあげたいよ。アジアではみんな声が大きい。だからそんな歓声を聞くのが好きだったし、素晴らしかった。もちろん、楽しんだよ。きっと来年はもっとたくさんのファンに会えるだろう」

■ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)【決勝:3位】

「すごく大変だった。特に最終ラップだ。レース中、僕は前のライダー、つまりペコやホルヘと1秒、1.5秒、2秒の差があった。マルコ(・ベゼッチ)はもうずっと前を走っていたからね。ただ、最終ラップ、僕たちの弱点がどこなのかはっきりとわかった。だから特にその部分について取り組まなくちゃいけない。来年に前進できるといいんだけどね。僕たちはペースを維持することはできるんだけど、本当に戦うことができないんだ」

「(レース終盤にレーシングスーツのファスナーが開いたマルティンの様子について)11コーナーでなにかおかしな動きをしているのはわかったよ。腕上がりか、レーシングスーツに何かがあったのかはわからなかった。ただ、何かが起こっているのはわかった」

「(最終ラップについて)5コーナーの立ち上がりの加速は最悪だった。スピンしまくりなんだ。スロットルをコントロールしてみたけど、残念ながらタイヤのグリップがまったくない状態だった。グリップとパワーの問題があって、もうそれ以上戦えなかった。そして10コーナーに入ったけど、速く走る自信はまったくなかった」

「でも、満足だと言えるよ。レース前からマルコは別次元だとわかっていたし、ホルヘは昨日のスプリントレースで勝っている。僕たちは実際に戦っていないけど、少なくとも、少しは近づいたんだ。ハッピーと言っていいと思うよ」

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