ローイング少年女子ダブルスカル 深浦・田中組(大村高)3位 かごしま国体

【ローイング少年女子ダブルスカル決勝】3位入賞を決め、応援席からの祝福に笑顔で応える長崎の深浦(左)・田中組(大村高)=鹿屋市、輝北ダム特設コース

 特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」は24日、鹿児島県内各地で会期前実施6競技中、4競技が行われ、長崎県勢はローイング少年女子ダブルスカルの深浦ゆず・田中真緒組(大村高)が3位入賞を果たした。
 ローイング勢は成年女子の2艇も入賞。シングルスカルの松尾美里(富山国際大)が6位、ダブルスカルの山﨑明音・樋口莉胡組(仙台大、明大)が7位に入った。4年ぶりに決勝に進んだ体操少年女子は181.796点で18位だった。
 会期前実施6競技はこれで全日程を終了。長崎県は都道府県対抗の天皇杯(男女総合)得点134.5点で順位は43位。目標の「20位台」に向けてやや出遅れた。
 本大会は10月7日に開幕。17日まで鹿児島県内で32競技(特別競技の高校野球を除く)を実施する。長崎県選手団は28競技に360人がエントリー。優勝候補として臨む銃剣道成年、ハンドボール少年男子をはじめ、ソフトボール、バドミントン、相撲、剣道、陸上、ライフル射撃など各競技に有力チーム、選手がそろっており、秋本番での巻き返しが期待される。 

◎少年女子ダブルスカル 狙い通りのレース「一番楽しかった」

 8月のインターハイは4位。だから、今回こそは3位以内に入りたかった。ローイング少年女子ダブルスカルの深浦・田中組(大村高)は、2人で出場する最後の大舞台で目標達成となる3位入賞。レース後、応援席から大きな祝福の声が飛び、2人も笑顔とVサインで応えた。
 インターハイ決勝は序盤から他艇に差を広げられ、得意のラストスパートが通用しなかった。その反省から、今回は前半からしっかりついていって残り300メートルでマックスに上げるプラン。オールが水からうまく抜けない「腹切り」というミスが出た悔しさは残るものの、狙い通りのレースだった。
 ペアを組んだのは今年4月末だったが、当初から息が合っていた。2年生の田中は「自分がつくれないリズムをつくってくれる。そこに自分のパワーを乗せれば進む」と先輩を信頼した。「パワーを持ち合わせていない」という深浦は漕力のある相方を得て、2年生のころまでは届かなかった全国の決勝の舞台に上り詰めた。
 「(田中)真緒ちゃんはボートのことはしっかりしているのに、時々抜けてて、見ていて飽きない」。深浦は頼れる後輩に優しいまなざしを向け、感謝の言葉も口にした。「真緒ちゃんがいなかったら経験できない舞台だった。3年間通して一番楽しいレースだった」。笑顔に、充実感がにじんだ。

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