新たに5競技、熱気と喜び 全国大会の「遺産」継承 県障害者スポーツ大会

大会初のフットソフトボールの試合を終え、健闘をたたえ合う本県と茨城県の選手たち=24日午前、宇都宮市西川田4丁目

 宇都宮市の県総合運動公園などで24日開かれた「第19回県障害者スポーツ大会」は、どの会場も大きな熱気に包まれた。新たにフットソフトボールなど5競技が加わり、大会は例年より拡充した。昨秋、本県で開催された全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」から約1年。関係者たちは障害者スポーツの機運をつないでいこうと意欲を高めた。

 「試合ができてとてもうれしい」。今大会で競技に加わったフットソフトボール(知的)本県チームの益子直人(ましこなおと)主将(23)は表情をほころばせた。

 2017年に発足した同チームは、全国障害者スポーツ大会で表彰台に上がった実力がある。一方、競技人口は15人ほどにとどまり、1チームに9人が必要な中で、県内では試合ができない状況だった。

 県外に参加を呼びかけ、県障害者スポーツ大会では初めて試合ができた。茨城県チームを相手に、13対2で勝利。益子主将は「チームのレベルアップにつながった」と手応えを語った。

 菅原康一(すがわらこういち)監督(49)は「選手たちのため、これからも試合の場作りが必要だ」と力を込める。

 大会ではボランティア関係者約600人も競技を支える。県立衛生福祉大学校では看護師を目指す学生64人が実習を兼ねて参加した。同校教員の関和子(せきかずこ)さんは「障害への理解を深めるとともに、障害者の地域参加支援を学ぶ貴重な機会」とその意義を話す。

 陸上競技で選手の案内役を務めた服部愛織(はっとりまおり)さん(19)は「諦めず挑む選手たちの姿に勇気をもらった」と笑顔を見せた。

 県と県障害者スポーツ協会は今後、スポーツスクールの開催を企画。今年10月には全国障害者スポーツ大会鹿児島大会も控える。県障害者スポーツ協会の駒崎茂(こまざきしげる)会長(61)は「多くの人がスポーツに参加できるよう、地道な活動を続けていきたい」と意気込んだ。

 

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