特養ホームで「かくれんぼ」 スマホアプリ、行方不明者捜索に活用

行方不明者役の高校生(左)を見つけ、アプリの情報と照らし合わせて確認する参加者=久御山町坊之池

 認知症の高齢者らが行方不明となった時に、捜索を呼びかける機能を持ったスマートフォンアプリを使った「かくれんぼ」の企画が、京都府久御山町坊之池の特別養護老人ホーム周辺であった。

 住民が互いに見守り合う地域づくりに役立てる狙いで、参加者はスマホを片手に住宅地を歩き回り、ゲーム感覚で人捜しに取り組んだ。

 アプリは東京の社団法人が開発した「みまもりあい」。認知症の人や子どもらがいなくなった時に、名前や写真などの情報を配信し、指定範囲の利用者に捜索を依頼できる。

 アプリを広めて地域の見守り合いを進めようと、同町社会福祉協議会と久御山高生徒会、町内の企業などが同様の取り組みを昨年に始め、3回目の今回は約40人が参加した。

 この日は生徒会の発案で、行方不明者役を見つけてカードの列をそろえるビンゴゲームの形で実施。参加者は約250メートル四方の範囲をくまなく歩き、8人の不明者役を捜した。発見時には、体型や服装などアプリの情報と照合し、記載された呼び名で声を掛けて確認した。

 参加したNPO法人職員(48)は「一人でも多くの目で見守ることが大切。アプリは手軽に使え、とても有効だと思いました」と語った。

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