地元CSに向けて2位死守を 週末2戦 広島カープ 末包が2発 秋山&堂林もホームラン & 九里が粘投 島内 60試合登板

クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを地元で開催するためになんとしても2位を死守したい広島カープ。巨人・ヤクルトと戦った土日の2試合を振り返ります。

末包が2発 秋山&堂林もホームラン(9月23日・巨人戦)

レギュラーシーズンとしてはことし最後となるビジターでの試合。負けられないカープは、秋山翔吾 、上本崇司 、菊池涼介 の主力3人が復帰し、そろってスタメンに名前を連ねました。

そのカープの先発投手は、森下暢仁 。ここ最近、立ち上がりが課題でしたが、1回、2アウト・1塁の場面でセカンド・菊池が復帰して最初の守備機会で相変わらずの好プレーを見せ、森下を落ち着かせます。

一方、打線は直後の2回、この日も4番に入った先頭バッターの 堂林翔太 。打球は右中間スタンドに突き刺さりました。好調をキープする堂林の一発で先制に成功します。

その後、巨人に逆転を許しますが、堂林の勢いは止まりません。4回、ランナーを1人置いた場面で打席が回ってくると、これぞ4番の仕事! 2打席連続となる打点を挙げ、同点に。

さらに、その堂林を2塁に置いて、6番・末包昇大 。2アウトからの貴重なタイムリーで勝ち越しに成功します。

一方、援護をもらった森下でしたが、5回、ノーアウト・1塁から巨人・坂本にこの日、猛打賞となるタイムリーツーベースを浴び、再び同点に追いつかれてしまいます。

それでも森下はその後、勝ち越しは許しません。6回107球を投げ、3失点と粘りのピッチングでゲームを作りました。

すると、その直後の7回、前の打席で打点を挙げている末包。その初球でした。「積極的に行った結果、最高の結果になった」と今シーズン、巨人戦で5本目となるホームラン。再び勝ち越しに成功します。

これだけでは終わりません。2アウトから代打の 中村貴浩 がプロ入り初の長打となるツーベースでつなぐと、発熱に伴う特例抹消から復帰した秋山。「(中村)タカヒロが良いお手本を見せてくれたので、追い込まれていたが、しっかりとらえることができた」と、5月31日以来となるホームランで一気に巨人を突き放します。

勢いに乗った打線は続く8回に、またも末包。自身、プロ入り初となる2打席連続の一発、そしてシーズン二けたに乗せる10号ホームランで勝負あり。

最後は4点差でも守護神・栗林良吏 を投入し、しっかりと勝ちきったカープ。復活した主力とその不在を守った選手たちががっちりかみ合いました。

広島カープ 末包昇大 選手
「2つとも『頼む。入ってくれ』という感じだったので、その分、2つとも入ってくれてよかったかなと思います。今シーズン、やっぱり最後なので東京のカープファンに2本も届けられて、最後の最後でよかったかなと思います。最初は10本を目指してやってきたんですけども、開幕から出られていなかったときもあったので、ことしは無理かなと思ったんですけど、なんとか最後の最後で二けたに乗せて、よかったなと思います。CS広島開催で待っています」

九里が粘投 島内 60試合登板(9月24日・ヤクルト戦)

広島に戻った日曜日。試合開始前にはマツダスタジアム公式戦での車いす席来場者が10万人に達し、セレモニーが行われました。記念すべき10万人目となったのは、広島・府中町の 藤川進也 さんです。車いす席には最大で年間1万2000人が来場し、1040試合目での達成となりました。自らも車いす席を招待している 磯村嘉孝 も喜びを語りました。

広島カープ 磯村嘉孝 選手
「車いすの方が野球の応援に来られるこういう環境であったり、ホスピタリティ、マツダスタジアム・カープの良さが詰まったからこそ10万人達成できたと思います」

そして試合は、勝てばクライマックスシリーズ進出が決まるヤクルトとの最後の対戦。先発は、2年ぶりの二けた勝利まであと2勝に迫る 九里亜蓮 でした。1回、キレのあるストレートで1番・塩見を三振。3番・山田からは緩急を使って三振を奪い、三者凡退の立ち上がりを見せます。

2回には5番・サンタナ、6番のオスナと連続三振に切って取ります。そして、3回にも低めに制球された変化球で2つの三振を奪い、ここまで6奪三振。ヤクルトに打者一巡で1人もランナーを出させない文句なしの立ち上がりを見せます。

すると、その裏の攻撃、先頭バッターで九里が打席に入ると、センター前に弾き返し、出塁します。

その後、フォアボールと送りバントで1アウト・3塁・2塁にチャンスを広げ、バッターは好調を維持する 小園海斗 。ヒットとはなりませんが、しっかりと打球を転がしてセカンドゴロ。ピッチャー・九里が自らの足で先制のホームを踏みます。

しかし、その直後の4回でした。九里が1番の塩見にデッドボールを与え、この試合、最初のランナーを背負うと、送りバントでランナーは2塁。打席には山田、逆方向への大きな当たりは、ライト・末包昇大 の横を抜ける同点のスリーベースヒットに。

なおもピンチは続き、迎える4番・村上にも逆方向へ長打を浴びてしまい、この回、逆転を許しました。それでも九里は、その後のピンチではヤクルトに追加点を与えません。得点圏にランナーを背負いながらも4回の2失点のみで6回まで切り抜けます。

迎えた7回、ツーアウトながらここもランナーを2塁に背負った九里。球数が100球を超えたところでした。塩見に右中間を破られる痛恨のスリーベースヒットを打たれ、追加点を許してまい、この回で降板となります。

2点ビハインドとなりますが、ここは勝利に向けて 新井貴浩 監督は、勝ちパターンの中継ぎ陣を投入。8回には 島内颯太郎 がリーグトップとなる今シーズン60登板目。23日も無失点でマウンドを後にします。

9回には 矢崎拓也 。ピンチを招きますが、ここも無失点でつなぎ、勝利への執念を見せます。

しかし、打線はヤクルト先発の小川を打ち崩すことができず、9回にはヤクルトの守護神・田口にリーグトップタイとなる33セーブ目をマークされます。これで今シーズン、マツダスタジアムでは初のヤクルトへの敗戦となり、クライマックスシリーズ進出決定は持ち越しとなりました。

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