吉田屋の弁当を食べて数時間後に激しい嘔吐 「ベッドに入ったらすぐ吐き気」 体調不良の女性証言 食中毒に家庭での対策は

青森県の「吉田屋」の弁当を食べて、体調不良などを訴えている人が全国で相次いでいる問題で、八戸市は食中毒と断定しました。弁当を購入した広島市の女性は、食べて数時間後からおう吐などが続いたと証言しました。

八戸市保健所はこれまでの調査で、患者の便と吉田屋が製造した未開封の弁当から黄色ブドウ球菌やセレウス菌が検出されたことなどから、店の弁当が原因の食中毒と断定しました。

弁当を食べてから数時間後に体調を崩したという広島市の女性(19)は、「ひどい腹痛と吐き気に襲われ、何度もおう吐した」と話します。

今月17日、女性は夕食用に広島市の「ゆめタウン広島」で吉田屋の「北海道産特選いくらの贅沢丼」を購入し完食…。今、振り返れば「味がいつもと違うかも」と少し違和感を感じたものの、見た目や食感などそれ以外に問題はなかったといいます。

症状が出たのは、それからおよそ4時間が経過した就寝後のことでした。

弁当を食べた女性
「胃がムカムカして吐き気がするような気持ち悪さと腹痛で夜中の12時ごろに目が覚めました」

トイレに駆け込むと吐き気に襲われ、おう吐しました。それから3時間もの間、吐き気やおう吐・腹痛、さらには下痢の症状が続いたといいます。

弁当を食べた女性
「ベットに入ったらすぐまた吐き気が来て、トイレに入っての繰り返し。ずっとおい吐と下痢ですごくしんどくて。寝ることもできなかったので」

症状は、翌日には回復しました。

今回、弁当から菌が発生した具体的な原因などはまだ明らかになっていませんが、検出されたセレウス菌と黄色ブドウ球菌について食中毒の予防対策を聞きました。

広島県 食品生活衛生課 片山貴朗 さん
「黄色ブドウ球菌は人の皮膚や鼻の中などに広く生息している菌です」
皮膚の中でも特に、人の手の傷や手荒れに多く存在している特徴があります。

「人の手につくことが多いので、菌を食品につけないように対策をすることと、仮に菌がついても増えないように対策をすることが大切です」
手洗いや、包丁やまな板の洗浄をしっかりして、まずは『菌をつけない』ことが大切だと話します。

黄色ブドウ球菌による食中毒の症状は、主に吐き気や嘔吐・腹痛・下痢などで、
毒素が含まれる食品を食べてから症状が出るまで平均2~3時間と非常に早いのも特徴です。

一方、セレウス菌については…

広島県 食品生活衛生課 片山貴朗 さん

「セレウス菌は土の中や河川など自然界にひろく生息している菌でさまざまな食材にもともと付いている菌です。さらに、熱に強い特性を持っていて加熱調理した食品中にも生き残っていることが知られています」

そのため、調理後の食品をすぐに食べることや低温で保管し『菌を増やさない』ことが大切だといいます。

表れる食中毒の症状には、主に吐き気や嘔吐を引き起こす『嘔吐型』と腹痛や下痢を引き起こす『下痢型』の2つが挙げられます。『嘔吐型』は1~5時間程度、『下痢型』は6~15時間程度で症状が出るということです。

家庭での食中毒を防ぐためにも、菌の特性を踏まえた対策をとることが必要だといいます。

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