【台湾】8月の景況感指数、製造と建設で上昇[経済]

台湾民間シンクタンクの台湾経済研究院(台経院)は25日、2023年8月の景気動向に関する調査結果を発表した。業況を数値化した「営業気候観測指数」は、3業種のうち製造業と建設業で前月から上昇、サービス業でマイナスとなった。とりわけ建設業は4.59ポイント上昇し、3カ月連続プラスとなった。

建設業の営業気候観測指数は103.36。8月は新規の公共事業案件が多数着工したほか、中央・地方政府ともに来年1月の総統選と立法委員(国会議員)選を見据え、社会住宅(社会的・経済的弱者に提供する公共住宅)の開発を積極化したことなどが好材料となった。年末にかけては引き続き大型プロジェクトが進む予定で、建設業の好況が見込める。

製造業の指数は0.44ポイント上昇の91.92だった。8月の景況を「良い」と見る企業の割合は20.7%で、前月から3.0ポイント拡大。業種別では化学工業、化学製品業、プラスチック製品業などで好況との見方が広がった。

台経院の劉佩真研究員兼総監は半導体産業について「現在もマイナスの情報が出続けている」と指摘。外資証券会社がファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の24年の資本的支出(研究開発費や設備投資費用の総称)の予測額を引き下げたことなどを例に挙げた。その上で「半導体市場は依然として混沌(こんとん)としており、短期間で急成長の軌道に再び戻るかは観察が必要だ」と指摘した。

サービス業の指数は2.99ポイント下落の97.26。7月までの3カ月連続の上昇から下落に転じた。保険業や証券業の大半が8月の景況を「悪い」と評価した。

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