LRT開業1カ月 平日利用、約1万3千人で安定 休日は予測の4~5倍

朝の通勤時間帯に人や車が行き交う鬼怒通りを走行するLRT=25日午前8時45分、宇都宮市宮みらい

 次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線は26日、開業から1カ月を迎えた。1日当たりの乗客数は、平日が通勤・通学客を中心に約1万2千~1万3千人で安定して推移。土日祝日は1年目の需要予測を大幅に上回る平均約1万6千人の出だしとなっている。開業以降、地域連携の交通系ICカードtotra(トトラ)の発行枚数は急増し、約9200枚が発行された。乗客のICカード利用率は93~94%まで高まっている。

 需要予測は開業1年目が平日1万2800人、土日祝日4400人。運行会社の宇都宮ライトレールによると、開業1カ月は平日はほぼ予測通りなのに対し、土日祝日は4、5倍の利用が続いている。9月3日には最多の約2万人を記録。敬老の日を含む3連休は1日当たり約1万6千人が乗車した。沿線でサッカーJ2栃木SCのホーム試合があった日は、増便も出た。

 ただ土日祝日はLRTに乗ることだけを目的にする「開業特需」が含まれ、今後は徐々に減っていくとみられている。同社担当者は「土日祝日の利用促進策を強めていきたい」と話す。11月にも一日乗車券を販売する予定という。

 トトラの発行枚数も開業を機に増えている。カードを管理する関東自動車によると、新規発行はこれまで週に100~200枚ほどだったが、22日までの開業1カ月弱で約9200枚が発行された。同社担当者は「LRTに乗るためにトトラを購入した人が多い」と推測する。

 ライトレールによると、開業直後は現金払いへの対応などでダイヤが乱れたが「現金払いが減ってきて遅延の幅は縮まっている。平日はほとんどない」。ICカード利用率は開業直後から90%程度あったが、93~94%まで増えたという。

 宇都宮市によると、トトラは発行開始から8月末までに累計約12万8千枚が発行され、市内の中高生にも約3万5千枚が無料配布されている。自動的に小児運賃が適用される小児用トトラも「発行手続きを行う人が増えている」と説明。引き続き、利用案内のパンフレットを配るなどして周知を図っていく考えだ。

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