【別府】別府市南部エリアの活性化を目指した宿泊施設「HAJIMARI Beppu」(ハジマリベップ)が25日、同市千代町にオープンした。酒類卸業の倉庫として使われていた中古ビルを改築。少子高齢化が進む地域に活力を取り戻し、文化を発信する交流拠点を目指す。
建築設計事務所「DABURA.m(ダブラエム)」(光浦高史代表)が、事務所の入るビルを再生した。
南部エリアは昔ながらの下町風情や生活文化が色濃く残る。光浦代表(46)は地域の魅力に引かれ、2021年にビルを購入。大分市から事務所を移転し、活用法を模索してきた。「旅行客と地域の人が出会う場をつくりたい」と、宿としての再生を決めた。
宿は別府の文化に出合う町巡りの「始まり」の場所を目指す。建物は鉄筋4階で、耐震補強など最小限の改修にとどめた。3、4階部分が客室で全6室。中長期滞在できるようキッチンを完備し、制作や作業スペースもある。
1階部分は本、アート、音楽を楽しめる交流の場や喫茶コーナーを設置。地域住民から譲り受け、生地を張り替えてよみがえらせた椅子を配置した。
別府、大分にゆかりのあるアーティストやクリエーターが作品の展示、デザイン、料理の監修などを協力。多彩な文化を随所で感じられるおしゃれな空間になっている。
地域の共同温泉や飲食店を巡りながら、滞在してもらう。光浦代表は「旅行客と地域の人の交流で、思いがけない出会いが生まれるような場にしたい」と話している。
1室(素泊まり)1万2672円から。問い合わせはハジマリベップ(0977.76.7667)。