五島・奈留島で漁網アート「そらあみ」完成式 地元住民ら、島のつながり再認識

地元住民らが掲げた「そらあみ」=五島市、江上天主堂前

 長崎県五島市奈留島の住民らが5色のナイロン糸を編み込んで作った縦5メートル、横45メートルの「漁網」を掲げるアートプロジェクト「そらあみ」の完成式が24日、奈留町の江上天主堂前グラウンドであった。制作は奈留島以外の福江島や上五島の島民も初めて参加した。10月20日まで展示する予定。
 地元住民らでつくる実行委員会と市主催。そらあみは参加者が編んだ漁網を掲げ、網の目を通して土地の風景を捉え直すプロジェクト。千葉県のアーティストの五十嵐靖晃さん(44)が国内外で展開している。
 奈留島では2019年から始め4回目。9日から2週間で、福江島の五島市大浜や崎山、新上五島町有川の各地区を含む計16会場に延べ約200人が参加した。五十嵐さんがイメージした海の「緑」や教会の「白」など5色の糸で縦5メートル、横15メートルの網を完成。昨年、一昨年の制作分とつないだ一枚の網を完成させた。
 式では、シンガー・ソングライター松任谷由実さんが手がけた県立奈留高の愛唱歌「瞳を閉じて」を歌いながら掲げた。編み上げに参加した鷹見礼子さん(73)は「別の集落の人たちとも交流できた」と笑顔。五十嵐さんは「島と島のつながりを再確認する機会になり、人と人が網を介してつながって仲間が増えていく楽しさを改めて感じた」と話した。

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