シニア犬に生き生き暮らしてもらう秘訣3つ!普段の生活に取り入れられるコツとポイント

シニア犬とは

犬は人間よりもずっと成長スピードが早く、約5倍ものスピードで歳をとっていくと言われています。個体差はあるものの一般的に犬のシニア期は7歳ころから始まり、徐々に老化現象が現れてきます。

睡眠時間が増える、体力や身体機能が衰え始めお散歩を嫌がるようになる、また食欲に変化があらわれる、皮膚や被毛にトラブルが増えるなど実に様々です。

なかには、「それまで出来ていたこと」が出来なくなってしまう不安感から、性格が変わってしまう個体もいるよう。

犬も歳をとり、体力が衰えてしまうのは当然のこと。少しでも快適に生き生きと元気に過ごしてもらえるような工夫を生活の中に取り入れていきましょう。

シニア犬に生き生き暮らしてもらう秘訣3つ!

1.安全に過ごせる環境を作る

徐々に体力が衰えていくシニア犬のために、できるだけ早めに安心して過ごしてもらえる環境づくりをしていきましょう。

足腰が弱るだけでなく、視力や聴力も衰えてくる愛犬がケガをしてしまわないよう、また不安な気持ちで過ごさなくて済むような環境を心がけてください。

  • 段差に注意
  • 床は滑らない素材にする
  • 家具の角はクッション材でカバー
  • 家具の配置を変えない

筋力の衰えで、ソファーや階段などの段差が上がれなくなるとことがあります。ソファの上でくつろぐ習慣があった犬の場合、乗れなくなるのも可哀想です。

ソファー自体を低いものに変える、またスロープを設置して段差が少なくなるようにし、足腰への負担を軽減してあげましょう。

また階段は誤って転倒してしまうと大怪我をしてしまう危険性もあります。極力階段の使用は控えるようにしましょう。どうしても階段を使用する場合は、足が滑ってしまわないようマットなどを敷いて転倒防止しておきましょう。

滑りやすい床は若い犬にとっても危険なものですが、足腰が弱くなってきているシニア犬にとっては、非常に負担が大きくケガにも繋がりやすくなってしまいます。ご自宅の床には滑りにくいマットなどを敷いて、安全に歩けるようにしてあげましょう。

ジョイント式のタイルマットやコルクマットは、汚れた部分だけ外して洗うことが出来るので清潔を保ちやすくおすすめ。またカーペットを敷いても良いですが、爪が引っかかりくいものを選んであげましょう。

また、シニア期になると視力の低下や筋力の衰えが原因で、壁や家具などにぶつかりやすくなってしまうこともあります。

視力が低下している場合、暮らしなれていた自宅の中の家具の配置やが変わってしまうと、よりぶつかりやすくなってしまう上、不安感や恐怖感を与えてしまう可能性があるため、家具の配置はあまり変えないようにしましょう。

また万が一、家具などにぶつかってしまっても大きなケガに繋がらないよう、家具のでっばりなどはクッション材でカバーをしておきましょう。

2.可能な限りお散歩は続ける

体力や運動能力が落ちてくると疲れやすくなり、お散歩にも行きたがらなくなると思います。しかし屋外の刺激に触れたくさんのニオイを嗅ぎながらお散歩することは、健康に良いだけでなく脳も活性化させてくれます。また、筋肉は使わなくなると衰えが急激に進みます。短い距離でもよいので、できるだけ歩くようにしましょう。

まだシニア期に入ったばかりの犬は、今まで通りのお散歩を続けて良いと思いますが、頻繁にお散歩を嫌がるようになったり疲れている様子が見られるなど、体力の低下を感じ始めたらお散歩のコースを短くしてあげましょう。

また段差や坂道がないコースを選ぶなど、負担の少ないコースを選び短い距離でもいいので歩かせてあげましょう。

もし愛犬自身の足で歩くことができない場合は、カートや抱っこ散歩でも大丈夫です。外のニオイを嗅ぐことは脳への刺激やストレス発散になるので、積極的に外に連れ出してあげましょう。

3.シニア期にあったご飯を与える

シニア期の犬のご飯は高タンパク、低脂肪、低カロリーなものがおすすめ。多くのシニア犬は成犬の頃と比較すると、どうしても運動量が減って筋力も落ちやすくなります。

運動量が減ってしまったシニア犬に、今まで通りのご飯を与え続けると簡単に太ってしまいます。また筋力を落とさないためには、良質なたんぱく質が多く含まれていることも大切です。

噛む力が弱くなっている場合、柔らかいご飯を与えてあげると食べやすくなると共に、消化も良いため胃腸への負担も軽減します。消化機能も低下し始めているシニア期には、内蔵にも負担のかからない消化の良いご飯を選んであげましょう。

まとめ

毎日愛犬と一緒に暮らしていると「歩くスピードがゆっくりになってきたな」や「このご飯食べずらそうだな」など、年齢を重ねた愛犬の変化に気づくことが出来ると思います。

7歳を超えたあたりからのちょっとした変化は「老化現象」の可能性もあるので、「愛犬の年齢に合わせた生活」を考える良い時期かもしれません。

積極的に定期検診を受けることで病気の予防や早期発見につながるため、シニア期に入ってからは可能であれば年に2回受けるのが良いと言われています。

また少しづつ衰えてゆく自身の体力や身体能力に対して不安感が増してしまう犬もいるので、スキンシップの時間を大切にしたくさん声をかけてあげることを意識しましょう。

(獣医師監修:平松育子)

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