全国6カ所目「摂食障害」の専門窓口、福井大学附属病院に10月開設 やせ症や過食症…患者と家族の相談対応

摂食障害の支援拠点病院に指定される福井大学医学部附属病院=福井県永平寺町

 福井県議会は9月20日、厚生、土木警察の両常任委員会を開いた。理事者は福井大学医学部附属病院(福井県永平寺町)を摂食障害の支援拠点病院として指定し、10月に相談窓口を開設すると報告した。福井県障がい福祉課によると、これまで県内には摂食障害に関する専門の相談窓口がなく、患者らから開設を求める声が出ていた。市町や他の医療機関などと連携し、早期に適切な治療を受けられる体制づくりを進める。

 国は各都道府県に摂食障害の支援拠点病院を設置するよう求めており、福井大医学部附属病院は全国で6カ所目の指定となる見通し。

 摂食障害は、食事に関する行動に異常が出る障害。体重増加への恐怖などから食事量を極端に制限する「神経性やせ症」、大量の食べ物を詰め込むように食べてしまい、自分でコントロールできない「神経性過食症」などがある。

 同課によると、摂食障害に悩む人は10代をはじめ若い女性に多く、患者は全国に約22万人いると推計される。2020年に県内で外来を受診した人は650人、入院患者は60人。新型コロナウイルス禍で、全国的に神経性やせ症の患者が増えているという。

 県の支援拠点病院指定により、福井大医学部附属病院は新たに心理士資格を持つコーディネーターを1人配置し、患者や家族の相談に応じる。県内医療機関への助言や指導なども行い、適切な治療につなげる。兆候がある人と接する機会の多い医療従事者や教職員を対象とした研修や市民への啓発も行う。窓口開設は10月2日を予定。

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 同課の担当者は「食べることに関して問題を抱えている人や、対応する方法が分からない場合は、気軽に相談してほしい」と話している。

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