都道府県別デジタル度、福井が東京を抜き初の全国トップ 野村総研調査、一因にネット利用率の高さ

デジタル度の都道府県順位

 野村総合研究所(東京)がまとめた2022年の都道府県別デジタル度調査で、福井県が前年1位の東京を抜いて初めてトップとなった。LINEなどのSNS(交流サイト)の利用率が伸びていることや、市民のICT(情報通信技術)スキルの保有度を示す指標が全国トップとなったことなどが要因。

 調査は、日本のデジタル化の度合いを可視化することを目的に19年にスタートし、20年からは47都道府県のデジタル度を公表している。各都道府県の15~69歳の200人ずつに行ったオンライン調査と公的統計を組み合わせ、▽ネット利用▽デジタル公共サービス▽コネクティビティ(端末保有率や通信インフラ整備)▽人的資本(デジタルスキルの保有割合など)―の4指標を使い、デジタル度を指数化している。

 福井県は、前年の6位から一気に順位を上げた。ネット利用と人的資本の2指標が全国トップとなり、コネクティビティが4位、デジタル公共サービスも5位に入った。北陸3県では富山県が4位、石川県は27位だった。

 福井県のネット利用は「1時間に1回以上携帯電話・スマホを使ってインターネットを利用している」との回答比率が前年比7ポイント増の43%に上昇した。野村総研は「LINEやインスタグラム、ユーチューブの利用比率が特にこの1年で増えている」と分析している。人的資本では、福井県は画像編集ソフトを使えると回答した人の比率が高かったという。

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 行政手続きのオンライン化などを評価するデジタル公共サービスも前年に比べて上昇した。県DX推進課によると、県庁では本年度末をめどに原則全ての行政手続きを電子申請できるように整備を進めている。

 同課は、デジタル度で全国1位となったことについて「県民のデジタル利用の進展やスキルの高さなどが総合的に評価された。地域課題の解決に向け、県民と一緒にDXの取り組みを一層進めていきたい」としている。

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